【Cinema Holiday】  勇気を持ってさあ言おう!
      =「『Godzilla』は面白い・・・かもしれない」=        

1998/8/9

  皆さん、超不評街道驀進中の『Godzilla』はご覧になりましたか? やっぱりツマラなかったですか? それならそれでいいんですけど、「本当に」「心の底から」ツマラなかったですか? 映画館の中では、結構手に汗握って興奮しておきながら、外に出た瞬間に、「それほどの作品でもないね」とか、「やっぱ、アメリカ人はゴジラ分かってないよね」などと横の彼女に訳知り顔で講釈垂れてませんか?

  みんなが褒める映画というのも相当居心地悪いけど、これほどみんなが貶す映画はもっと居心地悪い。公開前からボロクソにプレスに叩かれ、全米でも有体に言ってコケてしまった超大作。でも、僕には十分面白い作品だった。確かに『ジュラシック・パーク』との類似点は無数に指摘できるし、マンハッタンでの空中迎撃がまるっきりプレステもどきのゲーム画像になってたりと、欠点だらけの作品であるかもしれないが、少なくとも1800円を返せとは思わなかった。評論家の先生方には、人物描写の希薄さや、ストーリーのプロットの破綻がお気に召さないようだが、そんなもの最初から誰がこの映画に期待しているんだろうか?

  何せ、監督はあの超おバカ映画『インディペンデンス・デイ』のエメリッヒなのだ。OSも分からん宇宙人の操るコンピュータ(そもそもあれは宇宙人の作る「何かよう分からんハコ」であって、我々の思考の範囲の「コンピュータ」だったのかという意見もあるが)に侵入して、ウイルスだか何だかを仕掛けて、バンザイバンザイでエンディングに持っていく監督なのだ。この人にプロットなんか求めちゃいけないし、この人もそんなものを求められていないことをよぉーく分かっている。

  だから『Godzilla』だって、頭を空っぽにして、ニッポンゴジラと形が全く違おうが、最後20分が『ジュラシック・パーク』と全く違わなかろうが、んなことはどうでもいいんである。要は、映画館にいた2時間、あなたが楽しかったかどうか、ということだけである。

  さあ、そこのあなた、「俺ぁ、『Godzilla』最高だったぞぇーッ」と大声で叫んでみませんか? え? そんなこといったら世間に映画の分からんヤツとバカにされる? いいんじゃないですか、その方が。

  僕はハッキリ言って『タイタニック』にズッパまったクチだが、あの映画には嵐のような否定派も対極にしっかりと存在していた。なのに、『Godzilla』には、嵐のような、どころかコップの中の嵐のような肯定派の姿も見えないのは不思議でならない。何だか、みんな批評家モードに入っちゃったのかなぁ? まるで、ビースティ・ボーイズを批判することが許されなくなっているような(少なくとも僕にはそう見えます)洋楽業界のノリが伝染したみたいですなぁ。

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