道なき道を進む

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プロローグ 1998,年始

結婚話が持ちあがったとき、私の脳裏に浮かんだのは、ウエディングドレスではなく新婚旅行のことだった。何処に行こう?

オンロードバイクに乗っていた頃から、海外ツーリングという響きは魅力的だった。海外から帰ってきた人というのはある種特別なオーラのような物が出ていて、人生を悟っているように見えていたからだ。バイクで海外などというと『危ないから…危険だから…事故したら大変』等々あちこちから反対の声が上がる。しか〜し!新婚旅行なら周りの目も優しい、このチャンスを逃していつ行くというのだ!

そう気付いた私は、さっそく調べだした。手元にあったガルルにちょうど海外ツーリングの特集が組まれており。サポートしてくれる会社がずらりと並んでいたのだ。これはきっと行かねばならぬという運命だ!なんて思いながら金額を見ると・・・・た、高い!!それこそ、ごく普通の新婚旅行をそれだけのお金で行こうとしたら、超ゴージャスな物になるだろう。

雑誌を開いて5分後、すでに弱気になっていた私の目に飛び込んできたのが、H.P.Oのマレーシアツーリングだった。とりあえず1番安い!(あぁ〜私も関西人や)

勢いづいていた私は早速電話してみた。電話口に出てくれたトヨコさんの『どういった旅行をご希望ですか?』の質問に『はいっ!新婚旅行でっす!』・・・・・・しばし沈黙があった後『え〜と、バイク歴とか旅行の経験は?』と聞かれた。

んっ?バイク歴?去年KMX125を買ってやっと林道ツーリングができるようになった程度だよな。海外ツーリングの経験はもちろんありましぇん・・・・私はここで重要な事に気付いた!
そうやん、マレーシアといえばジャングル!相当のライディング技術が必要じゃないか!日本の林道も満足に走ってない私が大丈夫なわけないじゃないか。

『あの〜、私でも行けますかね?』の問いに、トヨコさんも金子さんも『大丈夫!なんとかなるでしょう!任せてください!』と力強い一言!

そして、私達の海外ツーリングは夢からマレーシアという現実の物となった。金子さんもトヨコさんも、私の無知な電話にはたいそうビビった事だろう…。