第16回 Once upon a time in the Suncity-hall


先日、休日に思わぬ時間ができ、「続・夕陽のガンマン」「ウエスタン」「夕陽のギャングたち」というセルジオ・レオーネ3本立て極私的一挙興行をしました。
マニヤには堪らぬレオーネですが、これらの殺伐とした荒野の風景の中にも、オルガンは鳴っていました。
この3本のうち一番後で製作された「夕陽のギャングたち」(1971)の中で主人公の山賊が、革命家で爆薬使いのショーンと出会って、神の啓示を受ける場面にほんの一瞬、オルガンの響きが現れます。
何んとその啓示は山賊らしく、ショーンと組んで銀行強盗をするというコミカルで即物的なひらめきなのですが、とても重要なシーンでもあります。

この作品でショーン役のJ.コバーンは挫折した革命家を飄々と演じて、ナカナカヨカッタ。

                                               記 多田納人


05年2月某日

 瀬尾さんより相談を受ける。
今年のサンシティホールのオータムコンサートについて、一昨年のような映画音楽特集にしようかなあと思っているとのこと。即座に賛成するも、共演の楽器はまだ検討中とのこと。
と、このひとことから秋のコンサートの準備が始まるのです。
モチロン、他の演奏会もありますから、全て並行で進んでいくのですが、ここではオータムコンサートに絞って、どういう経過で演奏会が成立していくのか、チョットだけお知らせしていくつもりです。


05年3月28日(月)

とりあえず私の方で有名な映画音楽のリストを作って渡す。
何の基準もなく、単に思いつくままに書き出したものです。
リストはこちら
ちなみに○印は私のリクエスト曲。


05年4月16日(土)

候補曲の絞り込み。瀬尾さん「これどんな曲?」と聞かれたものを、
私がハミングするも音痴の私ではリズムしか判らんとぼやく。ほっとけ。
DVDやLDで何曲かはオリジナルを聞いてもらう。



05年4月18日(月)

瀬尾さん、映画音楽の曲集を購入、5千数百円。60曲ほど載っているにもかかわらず、使えそうなアレンジの曲は「スーパーマン」1曲だけ。仕方ないので買ったとのこと。





05年4月28日(木)

どうも 「スーパーマン」を密かに練習している模様である。
まだ海のものとも山のものともつかないので、黙って練習している様子。それならそれでほっときましょう。



05年5月15日(日)

「ムーンリヴァー」や「トゥナイト」も考えているとのこと。
メロディはどうすんのと聞いたら、いや平井さんにやってもらうつもり とあっさり。
結局ヴァイオリンとの共演ということになりそうである。

 映画音楽の旋律は、やはりヴァイオリンの美しい音色がよく似合う。
それはそれで楽しみなことである。

 「スーパーマン」のサウンドトラックCDを聞きたいという。
持っていないので、DVDから音声だけタビングする。
譜面ではエンディングが簡略化されており、オリジナルのような仰々しさがないので、
そこはオリジナルに近づけてくれと要望を伝える。うーむまた編曲かと唸る。

「スーパーマン」6/5のサンシティでオマケ的に弾くという。おお、すごい度胸だぜ。



05年5月22日(日)

雨だったので、「スーパーマン」のエンディングのアレンジ終了したとのこと。
オルガンで弾くとつまらない曲になるようで、「トゥナイト」はやめた模様。
代わりに「大脱走」マーチや「アラビアのロレンス」を進めるが、どちらも唸る。




05年5月24日(火)

一転トゥナイトを聞きたいというので、LDを見せてあげる。
曲のスピードがかなり変化するので、「オルガンではこんなに早くはムリね」と宣う。




05年5月25日(水)

「ゴットファーザー」「ダイハード2」「ホワイトナイツ」を見てみたいと連絡有り。
どれもLDやDVDなどは持っていないのでレンタルを探すことにする。
それにしてもどうやって調べたのか、またどんな曲なのか私にも想像つかず。

これらの映画に使われているクラッシック曲を検討している様子。




5年5月28日(土)

夜、サンシティホールの練習中の「スーパーマン」聞く。
というか、ようやくお許しが出たので、ついに買ってしまったデジタルレコーダーR−1のテストも兼ねて聞きに行った。
音的にはこの曲なかなかオルガンに合うではないか。





05年6月25日(日)

サンシティホールでプロムナードコンサート。最後にスーパーマンを演奏。
発音の遅れるオルガンという楽器でこんな曲よく弾くよなあ、正直感心する。
練習中なれど、聞き応えは充分。



以下次号 待て暫し