繁茂してからの管理

 1 シバ刈りは要注意

 晩秋には葉先と枯れた穂を刈り払って、翌春の萌芽を促しましょう。また夏の成長期の芝刈りは、出来る範囲でしてください。いずれも刈り高は、10cm程度を限度としましょう。刈り高5cm以下では枯死する恐れがありますので気をつけてください。
 下の写真は大津市木戸の2年目で、見事なセンチピードグラス畦畔を更にスッキリしようと、刈り高5センチ程度にしたら、1ヵ月後に禿げてしまいました。センチピードグラスは地上ほふく茎のため、深いシバ面ができると、成長点は地上高5〜10cmにあり、これを刈り払ったためです。一番左は右三枚の畦畔を刈り終えて、手前水路側を刈っているところです。

2002.6.24
きれいに繁茂したセンチピードグラスを刈り込んでスッキリ
2002.7.25
1ヵ月後に禿げた
2002.8.2
更に1ヵ月後雑草が生えた

は要注意

 2 欲張った施肥は禁物!

 繁茂後に更に良くしようと、過剰施肥(通常(畦畔100平方メートル当たり化成1kg程度)の100倍程度)で、普段は感染しない土壌菌リゾクトニア菌が感染し枯死。しかし、半年後には周りのランナーが伸びて元通りに回復しました。
左2002.5.2の単株、右5.24の畦畔の様子 2002.7.20施肥の8.22坪枯

 

3 適度な施肥は必要

畦畔によっては明らかに栄養が不足して葉色が淡く、黄化気味になっている畦畔が見られます。また、センチピードグラスの刈込みを繰り返している畦畔では、刈り払いで養分を持ち出すこととなり、こちらでも葉色が落ちたり、芝の厚みが薄くなっています。
 このようにセンチピードグラスが弱ると、セイタカアワダチソウの種などの競合雑草の発芽成長を許すことになります。
 そこで、葉色が落ちた場合は、畦畔100平方メートルあたり化成肥料(窒素成分10%程度)を1kgを基準として施肥してください。くれぐれも過剰施肥で土壌菌に感染することのないようにご注意ください。

4 火入れは?

火入れは野焼きの禁止にも抵触することから、お勧めできません。下の画像は、意図せずに燃えたセンチピードグラスで、しっかり焼けた部分のランナーも焼けてしまいました。表面をさっと走るような火入れですとランナーは生きていますが、火の加減は予測不能です。
 シバ面が厚くなりすぎ、翌春の萌芽が遅れ気味になるようでしたら、晩秋に葉先を揃える程度に刈り揃えてください。

右隣のたき火が飛び火して焼けた

しっかり焼けて枯死 焼けこげは禿げてしまいます

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