超きまぐれ読書など日記

 なぜか週刊朝日を見ていると、グラビアにB'Zの稲葉氏の特集。と見ていると、なんと懐かしい地名がたくさん。彼の実家の「イナバ化粧品店」は東津山駅の近くの旧津山街道にあるのだそうで・・・、これは私が小学生の頃の一時期、月に何回かバスに40分も揺られて病院に通っていたとき通った、狭い狭い旧街道です。あまりに道が狭いので、バスが因美線(津山・鳥取間の単線。美作の国と因幡の国を結ぶので因美線)の線路を横切るのが大変でした。しかしこの記事(稲葉氏による町おこし、稲葉氏の小学校から高校までの探索コース、お兄さんの和菓子屋さんーこの和菓子屋さんは地元でもおいしいと評判ですー)を見ていると、稲葉氏が10年近く田舎に帰っていないという町の噂がわかる気がします。かわいそうに(笑)。それから、森博嗣『黒猫の三角』を読みました。森先生はすごい。某有名国立大学工学部助教授として研究教育をされながら、よくこれだけ出版できるものです。ただ、これを新しいシリーズにされる雰囲気ですが、うまくいくかちょっと心配です。これまでの萌絵シリーズ(?)は、トリックもそこそこおもしろくはありますが(『すべてがFになる』などはよくできていますね。トリックだけでなく容疑者のキャラクターにはまいりました)、むしろ「天才ごっこ学園ラブコメディー」(?)にウェイトがあった印象ですが、こんどはシリアスですからね。トリックだけではきついのでは・・・。6/17/1999

  いしいひさいち氏の『Comical Mystery Tour』の第3巻(創元推理文庫)を発見。このあたりになると、読んだことのないミステリーばかり。4/3/1999

  コーンウェルのドクタースカーペッタシリーズの新刊が出ないなあ、と思っていたら、コーンウェルの新シリーズ『スズメバチの巣』がでているではないか、というので、早速一晩費やしてしまいました。主役3人(?)のうち、二人は女性のキャリアで、ウエストにハマー。ドクタースカーペッタの人格を2つに割ったらこうなるのでしょうか。それに、日本の少女漫画(ただし、セーラームーン以降)のヒーロー(実態はヒロイン?)のようなキャラクター設定のブラジル。事件自体は大した話ではありません。伏線など(ミステリーの紹介なのでぼかしています)に出てくるマネーロンダリングの話はお粗末、というかあのキャラクターの人がこんなばかげた罠にはまるはずがないと思います(笑)。本書の目的は新シリーズを意識したキャラクター設定にあるのでしょう。それはともかく、アメリカはすごい国になりましたね(笑)。8/11 

  実は、宮部みゆき『理由』を以前に読んだのですが、ベストセラーばかり追っているみたいで、載せないでいようと思っていました。しかし「最近更新がないですね。忙しいんですか。」と瀬領さんにいわれて、古いネタでも載せるか、と思った次第です(たしかに忙しいのですが)。これはいわゆる裁判所の競売物件をめぐる話ですので、法律とも関係があります。しかしここではそんなことは書きません(きっぱり)。実は宮部みゆきはどうも好きになれませんでした。彼女は大変うまく、書き出しでぐいぐい読ませていきます。彼女のたいていの作品は、書き出しの部分は秀逸です。ただ、その後がだらだらしているのですね。新本格とはいわないまでも、よくできたミステリーは最後までトリックで読ませると思うのですが、彼女の作品は、トリックは最初の方でネタが割れ、あとは人間描写にウェイトが移り、それが延々と続くわけです。まあそれでちゃんと最後まで読ませるのですから、立派なものなのでしょうが・・・。『理由』もそんな読後感でした。ただし、『蒲生邸事件』は、古くて恐縮ですが、『時をかける少女』みたいで最後まで楽しかったです。(追記)某雑誌に「立花隆はオカルト好き」と書いてあって、納得。7/8 

  新大阪駅の書店で本を見ていて、たまたま、わが岡山が生んだ天才画伯、いしいひさいち氏の『Comical Mystery Tour』2冊(創元推理文庫、1992、1995)を発見しました。副題の1巻が「赤禿連盟」、2巻が「バチアタリの犬」からわかるように、内外のミステリーのパロディですが、取り上げられたミステリーといい、ギャグの内容といい、わかるものだけ見なさいと突き放した感じの、極めてハイレベルの作品です。画伯の作品にはときどきシャーロック・ホームズものがありましたが、シャーロック・ホームズものを中心に古典から現代物まで、取り上げられたミステリーは広範で、画伯がミステリーにも極めて造詣が深いことがわかります。2巻の101ページ、『北の夕鶴3回転犯の殺人』(さて、だれの作品でしょう?)のトリックは欧州委員会にも応用がききます(笑)。ついでに、Monsterが佳境に入った感じですが、どういう結末になるのでしょう。双子の妹と同一人物(二重人格?)といった示唆がときどきありますが、みえみえすぎて最近のミステリーの常套手段であるミスリードというやつかもしれませんね。プラハはすぐ近くに行きながら行きそびれたので、一度いってみたいものです。5/28 

  またまた風邪等でダウン。読みたい本もないので、鈴木光司の評判の3部作にとうとう手を着けてしまいました(ベストセラーの後追いは楽しくないので普通は避けます)。『リング』『らせん』『ループ』です(前の二つは文庫になっています)。『リング』はよくできたホラー系のジョークもの、『らせん』は、正直、何のこっちゃ、『ループ』は、なるほど、後半での『らせん』とのつなげかたがきれい、と感心。『リング』と同時期に出た『パラサイドイブ』(作者はだれでしたか、東北大の院生)が全体にわたり一見真実性がありそうなのに、こちらは文系らしく随所に荒唐無稽さがありますが、これが発想の突飛さにもなっています。私は『リング』が好きですね。変な種明かしをする続編など必要なし、だいたい続編は『リング』の根本的な種明かしにはなっていない、と言い切っておきましょう。感想の追加。『ループ』を読んで、萩尾望都(光瀬龍原作)の阿修羅が出てくる作品をイメージしたのは私だけでしょうか。5/4 

  風邪でダウンしている間に、立花隆『立花隆のすべて』(文芸春秋)と真保裕一『密告』(講談社)を読みました。前者は読み通すものではないのでぱらぱらめくって楽しんだだけですが。後者は、前回作の偽札製造の本がこった作りで最後もハッピーエンドで、読後感がよかったので買ったのですが(読み始めは、公取委を扱った『取引』から、これは文庫になっています)、風邪のせいかもしれないけど読後感はあまりよくなかったです。だいたい主人公のすべての行動が内に向きすぎです。4/19 

  立花隆『インターネットはグローバル・ブレイン』(講談社)を読みました。立花隆ものはほとんど読んでいますが、いつものハードな内容と違い、今回は、『僕はこんな本を読んできた』(講談社?、「猫ビル」などおもしい本です。このHPでも研究室の写真がおもしろかったという方がいらっしゃいましたが、人の書斎がどうなっているかは興味深いものです。とくに立花隆の書斎や勉強の仕方というのは本当に興味がわきますから)以上に、気軽に読めました。ちゃんと読めばハードなのかもしれませんが、立花隆の趣味にすべてきあうほど好奇心と知力がないのでノウハウ獲得手段として読んだからですが。ついでにここにあるURLの2つを第二リンク集に追加をしました。書評ではクリフォード・ストールの『インターネットは空っぽの洞窟』を批判している点がよく引用されていますが、確かにあれはくどい本でしたが、両者でそれほど考えに違いはない、あるいはインターネットの使い方が違う、と思いました。立花隆は専ら情報収集だけに徹し、ストールや後述の人は研究等やコミュニケーションなど他の手段にも重宝している(逆に負担にもなっている)という感じです。この点、立花隆とストール、さらに最後に対談が載っているビル・ゲイツ(プラグマティストのビル・ゲイツはひたすら立花隆の夢物語(?)には終始馬鹿にした対応のようでしたが)などではインターネットの使い方がだいぶ違うようです。立花隆は、ホームページを3つももっており何百万のアクセスがあると随所で自慢しながら全部人任せらしく本人はホームページの作成やFTPソフトによるファイル転送などはしたことがないようだ(したことがなくても何らかまわないのですが(^^;)、メールの送受信もできないかもしれない(秘書がメールを見てハードコピーして彼に渡しているらしい)、ダウンロードした情報は秘書にプリントアウトしてもらって印刷物として読んでいる(だから情報の量の大きさを表す表現として「積み上げると○○センチ」という表現がしきりにでてくる)、など興味深く思いました。情報収集の手段と割り切り(割り切るのが賢明でしょう(^^;)、かつ優秀な秘書がいるならば、賢い使い方とでしょう。ただ、ハードコピーは紙の無駄遣いだし、検索にも不便だと思うのですが、これは誰かがすでに書いていましたね。ちなみに、私も大事なファイルだけはハードコピーします。2/23

  17日に梅田(大阪駅周辺)に行きました。御堂筋梅田新道交差点の同和火災フェニックスタワー27階のレストランに、男ばかり8人で行きました、というか連れていってもらいました(もちろん支払は割り勘)。このビルは遠くからも見えて、空中庭園みたいなのもあって一度行きたいなと思っていたところでした。27階が全部このレストランで、窓ガラスが床から天井まで全面にあり、大阪の夜景が眼下にあって感動してしまいました。御堂筋が正面にずーと延び、大阪城は遙かしたに小さくあり、生駒山も下の方に見えます(本当は下ではないのですが)。この景色が名物らしく予約がない人は1時間待ちとかいわれていました。怪しげな中年のカップルも多かったのですが、若者が二人寄り添って夜景を見ながら待っているのはほほえましいですが、オジサンがそういうことをするのは見苦しいのでやめてほしいです。だいたい相手に嫌われます。オジサンはちゃんと予約していきましょう。なお、私たちオジサングループはもちろん予約していました。1/19 

  スキーに誘われたのに、無念、1月17,18日はセンター試験の試験です。1/17 

  正月に田舎に帰ったとき、『接触』はすぐ読み終わり、何かないかと探すと、1年前にベストセラーということで買い途中で読むのをやめていた『死の蔵書』(早川ミステリー文庫、本を田舎に置いてきたので筆者は忘れました)を発見し、読んでみました。主人公の暴力性や女性の描写の一面性のほか、ー「何でも鑑定団」的なおもしろさもねらっているのでしょうがーやたらにでてくる金額があまりにもせこく、200ドルとかで儲かったといわれてもちょっと・・・、殺人の動機になった物件が2万ドルですからねえ。それとも日本人の金銭感覚がまだバブルの影響を受けているのでしょうか。1/7 

  復活しました。『接触(unusual exposure)』を読んだ感想です。これまで以上に一気に読めました。FFせんせいはDr.スカーペッタにほとんど恋されているそうですが、私は姪の方がいいですね。コンピュータの天才だし。しかし・・・ねえ。ところで、今回はAOLがしきりにでてきますが、日本でのサービス料金はちょっと高すぎる気がします。MSNもそうですが、この料金設定は日本に本格的に参入する気がないということでしょうか。使っている方がいらっしゃれば感想などいただければありがたいです。1/4 

  これから正月モードです。正月のためコーンウェル『接触』(講談社)を残していました。読む時間があるかはわかりませんが。こう書くとベストセラーばかり追っているように見えますが、二人ともでれば必ず読む本なのですよ、と言い訳も書きます。(^^; 12/31

現在の通勤の友:高村薫『レディー・ジョーカー(上)(下)』毎日新聞社、(上)を読了。12/21

  (上)は楽しく読めました。(下)を見ないとわからないしミステリーの内容を詳しく紹介するのはルール違反だけど、雰囲気は、同じ著者の『なにわ金融事件簿』(朝日新聞大阪版の連載をまとめたもの)、毎日(一橋)の新聞記者たち(ブンヤ)が書いたといわれる一橋文哉『闇の怪人』(これはおもしろい!)に似ています。ただし舞台は東京。12/22

  (下)も読み終わりました。疲れてしまいましたが、通勤時間が本当に短く感じられました。12/27