【 症状 】
☆ Eさん(仮名) 30代 男性
学生時代から、よくお腹が痛くなったり、下痢をしやすい体質。
胃カメラや腸の内視鏡検査でも全く異常なしと言われたが、
臍の周囲がキリキリと痛い事があります。
腰痛や肩こりも慢性的にあり、体の柔軟が硬いです。
【 所見と治療 】
「胃が痛い」の愁訴でも、
@本当に胃が悪い場合・・・胃炎、胃潰瘍 など
A胃が痛いように感じている場合
があります。
@は医学的検査で異常が出ますが、Aは出ません。
右図は内臓の自律神経(=植物神経)の分布です。
神経細胞(黄色)が漁師の投網の様に、内臓の各細胞に繋がってい
ます。これらの神経が内臓の細胞に情報を伝えたり、
内臓からの情報を脳・脊髄に伝達します。
その神経は、必ず背骨から出入りするのですが、
皮膚や筋肉からの知覚神経も同じく背骨から入ります。
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例えば、「内臓関連痛」と呼ばれる症状で
A:内臓の調子が失調⇒ 背中(同じ背骨高さの)の筋肉皮膚のコリ、痛み
があります。逆に言えば、
B:背中のコリがひどい⇒ 「胃が痛い」と感じる
事も起こり得ます。
背中のツボに肺兪、心兪、肝兪、胆兪、胃兪、脾兪、大腸兪と呼ばれるツボがあるのも納得です。
Eさんは、背中のツボを上手く鍼治療すると、胃腸の調子も、体の柔軟性もすべて解消されました。
結局は、「胃腸が痛い」ではなく、筋肉のこりが原因だった事例です。
また、私の得意分野である心因性により胃腸の働きが低下しておられる方もおられます。
その時は、別の治療穴を使用します。
当院では、胃腸症状の治療は、胃腸科、整形外科、心療内科などの視点から、
鍼灸治療を行っています。
病院で検査で異常がないけど、調子が悪い方。
一度、鍼灸治療を受けられてみてはいかがでしょうか。
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