【さ行】
【サーレー】
イタリアのギャング組織「パッショーネ」に所属するギャング。
どうやら彼も、入団の際にポルポの試験によって、スタンド能力を授かったクチらしい。
スタンドは、物質や空気さえも、その場に固定できる「クラフト・ワーク」。
サーレーは、常に相棒のズッケェロと行動を共にしている様で、
ポルポが死んだ際も、その隠し財産を奪うため、共にブチャラティ達をつけ狙っていた。
ズッケェロがブチャラティ達に敗北した事も知らず、カプリ島に上陸し、
ミスタとジョルノが仕掛けた、偽の無線呼び出しに引っかかり、姿を現す。
慌てて逃げ出したサーレーだったが、追ってきたミスタを始末しようと
「クラフト・ワーク」でミスタを苦戦させるが、頭に撃ち込まれた弾丸を
固定していたところに、更に弾丸を撃ち込まれ倒された。
その後は、どこかに監禁されたらしいが、それ以後の消息は全く不明である。
もしかすると、ズッケェロ共々始末されたのかもしれない。
ブチャラティ達のイメージには合わないだろうが、ギャングの世界では
日常茶飯事の事だからである。現に最初に現れたブチャラティは
涙目のルカをバラバラにした挙げ句、拷問道具にしたりしている。
余談だが、サーレーのファッションは、奇妙な服装が多いジョジョ中でも
更に輪をかけて奇妙である。このため、彼のマニアックなファンも
少ないが存在しているらしい。(49巻)
【サヴェジ・ガーデン】
スピードワゴン財団が徐倫から「スタープラチナ」のDISKを受け取るために派遣した伝書鳩。
非常に良く訓練されており、時間通りに待ち合わせ場所である刑務所の中庭に現れ、
徐倫からDISKを受け取ると、そのままスピードワゴン財団に帰還するべく飛び立った。
伝書鳩の世界は奥深く、競馬と同じ様に血統がかなり重要なウエイトを占めており、
餌の配合や訓練法にも細心の注意が要求される。
良い血統の種鳩(?)であれば、数千万円の値が付くという。
伝書鳩専門の動物病院「ピジョンクリニック」なるものも存在する。
スピードワゴン財団内にも、伝書鳩部門や動物部門があるのだろうか?(69巻)
【サンダー・マックイイーン】
通称「水族館」こと、グリーン・ドルフィン刑務所で懲役刑を受けている囚人。
額の右側に「Mの字」のそり込みがある。
スタンドは自らの命を絶とうとすると、他の人間も巻き添えにしてしまう
「ハイウェイ・トゥ・ヘル」。ただし本人は能力には気付いていない。
罪状は、女性の心臓をショットガンで撃ち抜き殺害したという事だが、
実はマックイイーンは銃の手入れをしていただけで、それが暴発してしまい、
偶然飛び降り自殺を試みて、落下中の女性の心臓に弾が命中してしまったのである。
いわば冤罪なのであるが、極度にネガティブなこの男は「自分はゴミの様な存在」だと
思い込み、それに怒りを覚える事も無く、死ぬ事ばかり考えている様である。
しかし一方で、刑務所の掃除係をしている途中で、囚人達から盗んだらしい
5000ドルもの大金を隠し持っているという、矛盾した一面もある。
つまり、この男はあまりの不運さに自分は被害者だと思い込み、
他の人間に迷惑がかかろうと、道連れにしようと何も感じないのだ。
と言うより、そういう思考がスッポリ抜け落ちてしまっている。
その見た目だけでは分からない邪悪さを「ホワイトスネイク」に見抜かれ、
「DISK」によりスタンド能力を授けられたらしい。
金をスリ盗った事で、エルメェス・コステロと知り合い、無意識の内に
彼女を道連れに選んだマックイイーンは、次々と自殺を試みる。
エルメェスの必死の説得も、逆に「こんなにいい人と一緒に死ねるなら幸福」だと
最悪な思考に向かっていく。最後は「ホワイトスネイク」に仕込まれたであろう
「DISK」を頭から取り出されスタンド能力は解除されたが、マックイイーンの
命運は変わる事は無いであろう。他の人間が彼を救おうと考える事が、
彼の自虐的な喜びが最高潮に達する時なのだ。(66巻)
【サンタナ】
「柱の男」と呼ばれる闇の一族の1人。
メキシコの遺跡で、数千年もの眠りについていた所をスピードワゴンが発見した。
サンタナは、カーズが一族を皆殺しにした際、ワムウと共に連れ去った赤ん坊の
1人だった訳だが、カーズ達の能力に付いて来れなかったため、見捨てられたらしい。
1人寂しく(?)メキシコに眠っていたサンタナだったが、シュトロハイム率いるナチス軍に
柱ごと切り取られ、強制的に目覚めさせられる。「メキシコに吹く熱風」という意味の
サンタナという名前も、その時にシュトロハイムが命名した。
もしかしたら別の名前があったのかもしれないが、今となっては不明である。
入れられていたシェルターから抜け出したサンタナは、ジョセフと対決する。
サンタナ達「柱の男」の皮膚は、波紋を受け流すアースの様な役割をしており、
ジョセフの弱い波紋では、ダメージが与えられなかったが、
「気絶したフリ」をしたジョセフを食おうとして、体内に取り込んだ瞬間、
波紋を放ったジョセフによってバラバラにされる。
自分の波紋では、サンタナを殺せないと知ったジョセフは、太陽の光で
サンタナを殺そうとしたが、サンタナは波紋の使えないシュトロハイムの体内に
侵入し、どこまでも生きようとする執念を見せる。
だが、シュトロハイムの自爆により、太陽の下にさらされたサンタナは
井戸の中に逃げ込もうとするも、ジョセフが阻止したため石になってしまった。
その後、石になったサンタナは、スピードワゴン財団に回収され、
研究材料とされていたが、その後の消息は不明である。
現在もスピードワゴン財団で保管されているのか、はたまた処分されたのか・・・(5巻)
【ジェフ・バック】
ウインドナイツ・ロットの農夫。ディオを倒した直後の、ジョナサン、スピードワゴン、
ストレイツォ、トンペティらを目撃する。あんな時にディオの館の近くまで来て、
よくもまあ、無事だったものである。(5巻)
【ジェラート】
ギャング組織「パッショーネ」に所属していた暗殺チームの1人。
スタンド名は劇中に登場しなかったため不明。
組織の暗殺チームに対する冷遇への不満から、同じく暗殺チームの一員である
ソルベという親友と共に、ボスの正体を調べていたが捕らえられてしまう。
ソルベはジェラートの目の前で生きたまま輪切りにされ、それを見せつけられたジェラートは
恐怖と絶望とショックのあまり、施されていた布の猿ぐつわを飲み込んでしまい窒息死する。
その後、自宅のソファの上で服の上に「罰」と書かれた紙を貼り付けられた状態で発見された。
ソルベとジェラートについては、当HPからもリンクさせて頂いている
『Assassinmaker』でも独自の解釈で活躍しているので、
そちらの小説の方をご覧頂くと面白いだろう。スタンドも登場する。(51巻)
【シェリー・ポルナレフ】
ジャン・ピエール・ポルナレフの実の妹。
1984年、学校の帰り道にJ・ガイルに暴行された上、殺害されてしまった。
ポルナレフは、この妹をとても愛しており、写真を常に持ち歩いていた。
彼は敵のスタンド「審判(ジャッジメント)」が創り出した偽の妹の姿でさえ、
攻撃できなかった程である。「ジャッジメント」が創った偽シェリーによると、
子供の頃、ポルナレフが可愛がっていた金魚を猫にあげたらしい。
おてんばな性格だったのだろうか。(14巻)
【汐華初流乃】
ジョナサンの体を持ったDIOと、日本人の母親の間に産まれた
ジョルノ・ジョバァーナの日本名。「しおばなはるの」と読む。実は、こちらの方が本名っぽい。
承太郎は、汐華初流乃の調査を康一に依頼したが、
イタリアに渡った康一が出会ったのは、ジョルノという少年であった。
しかも康一が持っていた写真では、黒髪の少年であったのが
DIOの血の影響か、金髪に変化&妙な髪型になっていたため、
康一も最初は気付かなかった。しかし、それくらい調べておけよな、スピードワゴン財団。
詳しくは、ジョルノの項を参照。(47巻)
【静・ジョースター】
ジョセフが杜王町で拾った、生後半年程度の女の赤ちゃん。
本編中では名前は付けてもらっていなかったが、
この度「JOJO A-GO!GO!」にて、この名前が判明した。
スタンドは自分も含めた周囲のものを全て透明にしてしまう「アクトン・ベイビー」。
ジョセフだけになついており、他の者が世話をする事はできない。
ジョセフも母親を必死に探したらしいが結局見つからず、
赤ん坊をジョースター家の一員として養子に迎える事になった。
静(しずか)という名前は、その時付けられた様だ。
【シャーロット】
グリーン・ドルフィン・ストリート刑務所所長ロッコバロッコが持っているワニのハンドパペット。
性別はメスで、頭にはリボンが付いている。ロッコバロッコは囚人の前で喋る際、
腹話術を使用し、このシャーロットちゃんとの対話形式で会話を行うのが趣味の様である。
もしも所長の話を遮ったりすると、シャーロットちゃんの罵声が容赦なく浴びせられる事となる。
フー・ファイターズによって殺害された囚人の捜索隊を募っている時
徐倫からツッコミを入れられ「あたしは無実だー」とムキになる様子が可愛いが、
一体所長は何を考えているのやら。(64巻)
【ジャック・ザ・リパー】
1888年、ロンドンを震撼させた連続殺人鬼「切り裂きジャック」。
ディオの悪のカリスマに屈服し、ゾンビとなる。
人や物を切り刻む事に生き甲斐を感じており、それは自分の肉体すら例外では無い。
ウインド・ナイツ・ロットへ通じるトンネル内で、ジョナサン達を襲うが、
波紋の修行がてらジョナサンに倒された。
ちなみに「切り裂きジャック」事件は、実際に起こった事件として
有名であるが、真犯人は100年以上経った今も謎のままである。
実際のジャックは、娼婦ばかりを7人殺害したとされており、
その犯行の残虐性、動機の不明さ、証拠を残さない
手際の良さなどから、現代の恐怖を切り開いたと言われている。(3巻)
【ジョーンズ】
ディオ配下のゾンビ。同じくゾンビである、ペイジ、プラント、ボーンナムと共に名乗りを挙げ、
血管針攻撃を行ったものの、ストレイツォによって全員まとめて波紋を流され、倒されてしまった。(5巻)
【ジョルノ・ジョバァーナ】
100年の眠りから甦ったDIOと、日本人の母親の間に産まれた少年。
歴代ジョジョの中で、唯一ジョジョと呼ばれなかった主人公でもある。
汐華初流乃という日本名を持つ。DIOの息子とは言え、肉体は
ジョナサンであったため、ジョナサンの息子と言えなくとも無い。
首にはしっかり、ジョースター家の印である星形のアザがある。
同時に、少なからずDIOの肉体も受け継いでいる様で、
耳の穴に耳を全て入れてしまうという、変な特技を持つ。
父親であるDIOの写真は、肌身離さず持っている様だが、
父親がどういう人物であったのかは、あまりよく知らない様子でもある。
スタンドは、生命エネルギーを生み出す「ゴールド・エクスペリエンス」。
そもそもDIOにとっては、女性は快楽の道具であり、
そして食料に過ぎなかったはずだが、何故かジョルノの母親は
無事にDIOの元を去っている。この辺りの経緯は未だに謎のままである。
あのDIOも情が移る程の、魅力ある女性だったのか、はたまた亡くなった母親の
面影でも見たのか・・・果たしてDIOにそんな感情が残っていたのかは疑問ではあるが・・・
ジョルノの母親は、女としての魅力はあったのかもしれないが、母親としては
全く失格であった。DIOの元を去ってからの彼女は、日本に戻ったが
幼いジョルノを残して、よく夜の街に遊びに出かけていた。
その後ジョルノが4歳の時、イタリア人男性と結婚。
ジョルノ共々、イタリアに移住する事になる。
このイタリア人の義父は、よくジョルノを虐待し、そのせいで
ジョルノは他人の顔色ばかりをうかがう子供になってしまった。
他の子供からもいじめられ、ジョルノは自分がこの世のカスだと信じ込む様にまで
なってしまった。だが、ある日傷ついたギャングを助けた事により、彼は立ち直る。
そのギャングは、ジョルノを初めて1人の人間として、扱ってくれたのだ。
こうして、ジョルノは「人を信じる」という事をギャングから教えてもらい、
そして、ギャング・スターとなる夢を抱く様になったのだ。
そして2001年15歳の時、ジョルノは康一と出会い、
ギャング組織の人間であるブチャラティに出会う。
敵として現れたブチャラティに自らの夢を語ったジョルノは、
ギャング組織「パッショーネ」に入団する事を決意する。
組織の幹部であるポルポの入団テストに合格し、
ギャングへの一歩を踏み出したジョルノは、ブチャラティのチームに
配属され、ミスタ、アバッキオ、フーゴ、ナランチャと以後行動を共にする。
その後、ポルポの遺産を手に入れたブチャラティが、組織の幹部になると同時に、
組織のボスの娘トリッシュの護衛の任務を受けると、他の仲間と共に
死力を尽くして任務を果たす。それはボスを倒し、自分達が成り上がるため
少しでもボスの正体をつかんでおきたいという動機から来るものだったが、
この事は、最後までブチャラティと二人だけの秘密であった。
トリッシュを狙った組織の裏切り者との、数々の死闘を経て
遂にボスの元へトリッシュを届けたジョルノ達だったが、
ボスは、自分の正体への手掛かりを消すために、
自らトリッシュを殺害しようと企み、ジョルノ達に娘を護衛させていた。
その事を知ったブチャラティは、ボスに反旗を翻し、トリッシュを救い出す。
そして、フーゴを除いた全員が、ブチャラティと行動を共にする事を申し出て、
ボスとの戦いが始まった。
ヴェネツィアからの脱出、そしてボスの故郷であるサルディニアで、
アバッキオの犠牲により、ボスの正体の手掛かりをつかんだジョルノ達は、
ボスの正体を知り、そしてボスに勝利するための希望である「矢」を持つ人物、
ポルナレフに会うため、ローマに向かう。
しかしボスもローマに現れ、最後の戦いが始まる。
「矢」のパワーを手に入れたジョルノは、あらゆる意志や力を無に帰してしまう
「ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム」を発現させ、ディアボロを倒した。
その後は生き残った仲間達と共にギャング稼業を続け、組織の頂点に立ったらしい。
おそらくポルナレフから父親であるDIOの事を聞いたであろうが、
その事をどの様に感じ、今はどの様な生活を送っているのだろうか?(47巻)
【杉本鈴美】
杜王町在住の16歳の少女。岸部露伴の実家とは近所同士で、親しい間柄だった。
1983年8月13日に吉良吉影による最初の殺人に遭い、両親と愛犬アーノルド共々惨殺されてしまう。
その際、両親の急用のため杉本家に預けられていた、4歳の露伴を窓から逃がしている。
杜王町を心から愛し誇りに思っていた鈴美の魂は、自分達を殺した者が未だに殺人を続けている事を知り、
アーノルドと共に「あの世」と「この世」の狭間の世界に留まっていた。
しかし地縛霊となり、狭間の世界から動けなくなってしまった鈴美達では、出来る行動には限りがある。
誰か生きた人間に、この事を伝えねばならないと考えた鈴美は、色々な人間に訴えかけたが、
普通の人間には幽霊の声は、ほとんど届かなかった。
15年後、形兆の「矢」によってスタンド能力に目覚めた露伴と康一が狭間の世界に迷い込み、
鈴美は2人に町の「誇り」と「平和」を取り戻す事を訴え、吉良吉影を追い詰めていくきっかけを作る事となる。
その後、仗助に敗北した吉良の魂が狭間の世界に迷い込むと、
アーノルドと共に彼をあの世に追いやる事に成功する。
15年間の目的を果たした鈴美達は、仗助達に感謝の言葉を述べながら昇天していった。
ジョジョには珍しく、性格の破綻していない普通の女の子。(幽霊ではあるが)
背中の傷を見せるために、セクシーショットが多かったのも特徴(笑)。
ポッキー占いが得意の様であったが、今考えるとあのポッキーも
6部のマーズチョコレートと同じ様に幽霊だったのだろうか。
ちなみに露伴が「ヘブンズ・ドアー」で読んだ時のプロフィールは・・・
「16歳」 「住所は杜王町勾当台3の12」
「彼氏はいない」 「スリーサイズは82 57
84」
「左乳首の横にホクロがある」 「初潮があったのは11歳の9月の時」
「初めて男の子とキスをした時、舌を入れられている」といった内容であった。
露伴先生、読む内容がそっち方面に偏り過ぎである。(35巻)
【スクアーロ】★
ギャング組織「パッショーネ」のボス、ディアボロに仕える親衛隊の1人。
相棒であるティッツァーノとは、親友より深い絆で結ばれている。
スタンドは、水から水へと瞬間移動し、相手に食らいつき引きずり込む「クラッシュ」。
ディアボロからブチャラティ達を抹殺する事を命じられ、まず障害となるジョルノを拉致する事に成功する。
しかし、ナランチャの追跡を受け、水の無い広場まで追いつめられてしまう。
その際、ティッツァーノが自らの命を賭けてスクアーロを庇い、彼の血が「水」の代わりとなり、
スクアーロは友の復讐の思いを込めて、「クラッシュ」をナランチャの首に食い込ませたが、
ナランチャの圧倒的な精神力の前に敗れ去り、死亡した。
早い話が、スクアーロとティッツァーノは恋人同士である。
西欧では、宗教上の問題から同性愛は「悪」という概念が強く、
かのナチスドイツも同性愛者をガス室に送っていた。
現在では、同性愛者に対する理解も深まっては来ているが、
理屈抜きに嫌悪を感じる人々も、まだまだ多い。
一方、日本では男同士が結ばれる事は、さほど奇異な風景では無かったとされている。
戦国時代の頃などは、むしろ友情や親愛の現れとして、大いに盛んであった気配がある。
有名な所では、織田信長に寵愛された森蘭丸や、加賀百万石の祖、
前田利家も織田信長の稚児であったと言われている。
その意味では、スクアーロやティッツァーノも、実に男らしく潔い散り方だった。(56巻)
【スコリッピ】
イタリアに住む、かけ出しの若き彫刻家。
彼の彫刻は有名ではないが、生活が出来る程度には成り立っている様だ。
スタンドは人の運命を予言し、触った者を安楽死させる「ローリング・ストーン(ズ)」。
彼は、4、5部では珍しい子供の頃からスタンドが使えた、純粋なスタンド使いである。
もっとも「ローリング・ストーン(ズ)」は自動操縦型のスタンドで、
彼自身がコントロールする事はできない。
彼は人は「みんな『運命の奴隷』」という考えを持っており、
「ローリング・ストーン(ズ)」に現れた運命に従う事は絶対であり、
仕方が無い事だと考えている。
しかし、ブチャラティの死を予言した「ローリング・ストーン(ズ)」を破壊し、
ブチャラティの運命を変えたミスタを見て、スコリッピの考え方は少し変わった。
そのミスタの行動は、ブチャラティの死を防いだ訳では無い。
むしろ、他の仲間を巻き込んだ苦難への道への始まりであった。
だが、その苦難の道には、意味があるのではないか?
人は運命からは逃れられないが、彼らが歩もうとする苦難の道は、
どこかの誰かに希望として伝わっていく様な、大いなる意味の始まりではないのか?と。
この辺りは、荒木先生の悩みを代弁しているのだと思う。
運命が、既に決定づけられているとしたなら、人間が努力したり喜んだり
悲しんだりする行為全てが、無意味になってしまう。
だが、それでは「人間讃歌」というテーマを描く上で
矛盾が生じてしまう。しかし、運命に逆らい、もがき、何か意味のある事を
残していくのが人間の素晴らしさでは、ないのだろうか?
我々は、運命というものを知る事は、絶対に出来ない。
いつ死ぬか、いつ何時、何が起こるかなんて解らない。
それを恐れていては、人間として意味のある事は出来ないのである。
私は、それが例え人に誇れる様な、立派な事でなくても良いと思う。
余程の事をしない限り、人は死ねば記憶の彼方に忘れ去られる。
でも、それで良いのだと思う。月並みだが、自分が満足できる生き方さえ
見つけられれば、その人は幸福であり、人間としても素晴らしい人だと思う。
ただし、人には迷惑かけずにね。
神戸や京都の児童殺害事件にも言える事だが、人を殺したり、傷つけたりして、
自分の意味を見つけるなんて、あまりに程度が低すぎる。
殺された者は、君達に意味付けさせるために、人生を送ってきたのでは無い。
何か、キャラの解説では無くなってしまった・・・(63巻)
【スティクス】
メキシコの村に宣教活動に向かう予定だった神父。
新婚旅行中のジョナサンとエリナが乗っている船に同乗しており、ヤケ酒を飲んでいる時、
ディオが入っている棺桶が置いてある船倉に十字架を落としてしまい、
取りに行った所をディオに殺害された。(5巻)
【鋼入りのダン】
「ステイーリー(鋼入り)」という異名を持つスタンド使い。
スタンドは大きさもパワーも最弱だが、逆にそれを利用し
人の脳に侵入する「恋人(ラバーズ)」。
「ラバーズ」はダンが攻撃されると、侵入している者の脳神経を刺激し、
ダメージを数倍にして返すという性質を持っている。
承太郎達に捕らえられたエンヤ婆を口封じのため始末すべく、一行の前に姿を現す。
その時はドネル・ケバブ売りに化けていた。
当初は紳士ぶった態度を見せていたが、後半になるにつれ
そのゲスな本性をあらわにしていた。
エンヤ婆の脳に「肉の芽」を植えつけて殺害すると、今度はジョセフの脳に
「ラバーズ」を侵入させ、殺害を図る。
ダンへのダメージはジョセフに返ってしまうため、手出し出来ない承太郎を
盗みをさせたり靴を磨かせたりして、いたぶるが
スタンドを「ラバーズ」と同じサイズにさせた花京院とポルナレフに敗れ去る。
慌ててスタンドを戻し、承太郎の脳に侵入しようと試みたダンだったが、
あっさり承太郎に見破られ、「ラバーズ」を捕獲されると
命だけは助けてくれと懇願する。承太郎がその嘆願を聞き入れたと見るや
今度は住民の女の子を人質に取り、承太郎を刺そうとしたが
「ラバーズ」の足には既に「ハイエロ・ファント」の触手が巻き付いていた。
承太郎自身も、ダンを許す気は初めから無かったのだ。
承太郎への仕打ちの「ツケ」は「オラオラ60発」(JOJO
A-GO!GO!より)で支払われる事になった。(17巻)
【ストレイツォ】
チベットで修行を積んだ波紋使い。
「ストレイツォ、容赦せん」が口癖。波紋の才能・知識共に優れている。
波紋の師であるトンペティに同行し、ジョナサンと共にディオと戦うが、
秘かにディオに憧れを抱く。その後ジョナサンが死亡すると、エリナがジョージを
身ごもっていたため、エリナが船上で救った赤ん坊を預かる事になる。
この赤ん坊が後のエリザベス、つまりリサリサである。
ストレイツォはリサリサに波紋の修行を施し、更に「エイジャの赤石」を託す。
そしてジョナサンの死から約50年後。トンペティの跡を継ぎ、波紋法の指導者になっていた
ストレイツォは、スピードワゴンによって石仮面と「柱の男」が発見されると豹変する。
50年前にディオに感じた憧れは、年を経るごとに老いを感じるごとに強くなっていたのだ。
石仮面をかぶったストレイツォは、手始めに石仮面の秘密を知る二人、
ジョセフとエリナの殺害を試みる。ジョセフが生まれつき波紋を使える事にも
脅威を感じたのだろう。また波紋法の後継者であり、波紋を知りつくしている自分が
修行もした事が無い若造に負けるはずが無いという自信もあった様だ。
だが波紋だけではなく、様々な策を使うジョセフに敗れ去る。
最期は若返った事に満足感を抱きつつ、自ら波紋の呼吸法を行い自爆した。
吸血鬼になった後のストレイツォは、チベット波紋法の指導者とは思えぬ
残虐性を見せる(と言っても結局は女の子の歯を抜いただけだが)が、
あれはジョセフを誘い出すための演技だったともとれる。
スピードワゴンを殺害しなかったのも妙である。
狂気に走った人間は理屈では推し量れないのかもしれないが。
ストレイツォは「柱の男」に関しては、知らない素振りを見せていたが、
「エイジャの赤石」まで持っていた波紋法の指導者が、それを知らなかったとは
考えにくい。おそらく何もかも知っていた可能性も高いのである。
ストレイツォの行為を善意に解釈するとすれば、来るべき「柱の男」の脅威を
ジョセフに自覚させるために、あの様な行動に出た可能性もある。
同時に若返る事への欲望を抑えきれなかった事も確かだろう。
彼の行動は矛盾だらけの様な気もするが、
元々人間は矛盾だらけの生き物なのかもしれない(by剣客商売)。
その事についての劇中の説明は無いため、詳しい事は謎のままである。
ストレイツォの真意は一体何処にあったのだろうか。(4巻)
【スモーキー・ブラウン】
アメリカ、ジョージア州出身の黒人の少年。ニューヨークでジョセフの財布を引ったくった事から、
ジョースター一族の奇妙な因縁に関わる事になる。白人警官に暴行を受けていた所をジョセフに救われる。
白人でありながら、しかも財布を盗んだ当人である、自分を救ってくれた事に感動したスモーキーは、
しばらくジョセフと行動を共にする。ストレイツォとの戦いの後は、エリナとスピードワゴンが保護者として、
面倒を見ていた様だ。カーズとの決戦では、スピードワゴンと共に応援に駆けつけている。
その後は苦学しながらも大学に進学し、政治学を修め、故郷のジョージアで初の黒人市長となった。
彼の故郷であるジョージア州は、あのアトランタを州都とする、アメリカ南部の州である。
南北戦争で南部が敗れてからも、この地での黒人差別は根強く、1915年には
かの悪名高き「KKK(クー・クラックス・クラン)」が州法で認可されるという事もあった。
また、この州はキング牧師の出身地であり、彼が暗殺、埋葬された所でもある。
スモーキーが、あの様に盗みを働くまでに至った背景には、幼少の頃から受けてきた
凄まじい黒人差別があったに違いない。(5巻)
【セッコ】
ギャング組織「パッショーネ」に所属している男。
少々知恵遅れ気味に見えるが、本能による攻撃と強力なスタンドパワーは
それを補ってあまりある。その危険性ゆえにチョコラータと共にスタンドの使用を禁止されていた。
スタンドは自分を中心とした地面を柔らかくし、その中を自在に泳ぐ事ができる
「オアシス」。「オアシス」は他の物質(人体)を溶かしたり、それを再び硬質化する事もできる。
セッコは元々チョコラータの患者であり、チョコラータのしもべであった。
チョコラータが自分の欲望を満たすために残酷行為を行う時、セッコは
ビデオカメラに撮るなどの、記録役を行う。またチョコラータからご褒美に貰える
角砂糖が何より好きで、角砂糖を数個投げられても手を使わず、口のみで
キャッチできるという特技を持つ。完全にチョコラータに依存しているかに見える
セッコだが、実はチョコラータの強さに従っているにすぎず、チョコラータの敗北を
知った後は、チョコラータを罵り独自に行動を開始した。
その能力でブチャラティを追いつめるが、地面に潜っている時に
車のタイヤを破裂させられ、鼓膜を破られて敗北。
最後は、よりによってドッピオを人質に取り、ブチャラティから逃れようとしたが
ジッパーで手を喉に固定され、自分の喉が溶けていくのに驚き慌て、
つまづいた挙げ句にチョコラータが放り込まれたゴミ収集車に突っ込み死亡。
セッコとブチャラティの会話は洋画の吹き替えの様で面白い。
実際の洋画でも「こんなジョーク、英語で何て言うんだ?」と
思うのが多々あるが、あれは翻訳者が日本向けの冗談に変える事も多いらしい。
5部自体、ゴミ箱に「ゴミ箱」と書いてあったり、通貨を「円」であらわしているなど
読者へのわかりやすさを追求していた感もある。
イタリアが馴染みが薄いという事もあったかもしれないが、
タクシーに「円」と書いてあった時は、ちょっと面白かった。(59巻)
【ソニア】
テレンス・T・ダービーとの勝負に敗れ、人形にされてしまった女性。
ダービー曰く、華麗なる恋の体験談が楽しい女性。シャネルの服が好きだが、
ダービーはジャンニ・ヴェルサーチのデザインを、小さく作り上げて着せている。(25巻)
【ソリッド・ナーゾ】
ギャング組織「パッショーネ」のボス、ディアボロが使っていた偽名。
この偽名を、何とディアボロは地元であるサルディニア島で使っていた。
1985年頃、まだ一青年に過ぎなかったディアボロは、ドナテラ・ウナと出逢い恋に落ちるが、
その時何を思ったのか本名は名乗らず、このソリッド・ナーゾという名で通していた。
その後ディアボロは村を焼き尽くし、行方不明となるが、ドナテラはディアボロの娘である
トリッシュを出産した後も、ディアボロをナーゾであると思い込み、それは一生涯変わらなかった。
ただ、このナーゾという男もドッピオと同じく、ディアボロの別の人格であるという可能性も
全く無いとは言えない。果たして地元で偽名を名乗る必要性があるのかどうか・・・。(50巻)
【ソルベ】
ギャング組織「パッショーネ」に所属していた暗殺チームの1人。
スタンド名は劇中に登場しなかったため不明。
組織の暗殺チームに対する冷遇への不満から、同じく暗殺チームの一員である
ジェラートという親友と共に、ボスの正体を調べていたが捕らえられてしまう。
捕らえられたソルベは親友ジェラートの目の前で、生きたまま足の先から少しずつ輪切りにされ死亡した。
後日、輪切りにされたソルベはボスからの警告として、36個もの額縁に
ホルマリン漬けされた状態で暗殺チームに送り届けられた。
「足の先から刻み殺す」という残酷な拷問殺人法は、
マフィアやギャング(特に中国系)の間ではよく見られる制裁であるらしい。
"人体を損傷させて尚かつ死なせない"という技術は世界中で見られる訳だが、
特に有名になってしまったのが中国での四肢切断であろう。
少し前に「中国で"ダルマ"にされた日本人を見た」というチェーンメールが
出回った事があったらしいが、その話自体は眉唾ものとしても、
現在でも闇の世界で、その様な技術が継承されている事は十分あり得る。(51巻)