謎そのE 那岐が処分された理由

 波多野的に、ここ重要。この理由、ゲーム中では「力が強すぎたから神の元へ返した(川へ流した)」と語られてます。では、どんな根拠で生後間もない赤子の「力が強すぎる」と判断したのか。また強すぎたら、何がどういけないのか。仮にも王家の人間を処分するなら、それなりの理由が必要なはず。
 で、ですね。シリーズで鬼の一族の象徴とされる金髪が要因だとしたら那岐がアウトで千尋がセーフなのは片手落ちですよね。あと考えられるのは2人が双子のケース。昔、日本では双子が生まれると片方を里子に出したりしてますからこっちの方が説得力はありそうです。中つ国は女性が王を務めるようですし、二者択一なら男児が処分されるのでしょう。でも、それだと生かしておいて後でトラブルの元になる、という考え方はあるかもしれませんが。それと「力が強すぎる」のは結び付きません。
 では、処分しなければならないほどの「力の強さ」を感じさせるものとは何だったのか。赤子が鬼道を使うでしょうか。真言を唱えるほど言葉が達者だとでも?・・・そんなはず、ないですよね。ここで再び岩長姫のセリフ「異形だから神なんだ」を思い出してみましょう。もし、那岐があの時代における異形として生まれたのだとしたら「神の化身」と判断されて不思議ありません。「自分達の手に余る、神の元へ返さなければ・・・」という考えに至っても、倫理的にはともかく、流れとしては有り得ると思います。
 次にそう仮定して何をもって「異形」と判断したのか、ですが。金髪なだけなら千尋も該当しますので髪の色が理由ではないでしょうし、瞳の色なら他の八葉だって黒目じゃありません。サザキのように羽が生えているわけでもない。にもかかわらず、一目で「異形」と判断し得る根拠は何か・・・それはFとGに続きます。




謎そのF 那岐の戦闘時の真言

 鬼道使いである那岐は、戦闘時に真言を唱えます。これがゲーム中からずっと、引っかかっていました。唱えることが、ではありません。「神の御息は我が息、我が息は神の御息なり」・・・これを直訳すると、「神イコール自分、自分イコール神」ってことになりませんか。と、ここでEの「異形だから神」が繋がってきて、那岐は真言のたび「自分は異形」と言ってることになっちゃうんですね(自虐的)。
 まあ、那岐は「僕に関わると不幸になる」とか口走る子でしたからね・・・それくらい普通かもしれませんが。もうひとつ、戦闘時の謎として那岐だけが一人で協力技(通常は白神子とのセット必須)を使えるのも引っかかっていました。確かに那岐の霊力は高いし、鬼道使いでもありますが。神様である風早に無理なことができる、ってことは神様越えですよ、ある意味。中つ国王家の血を引いればそういうこともできる・・・わけないですよね。白神子である千尋は協力技を一人で使えないんですもん。なのに八葉の一人にすぎないはずの那岐には、それができる・・・のは何故か、Gで検証したいと思います。



謎そのG 朱雀戦・黒龍単独戦

 ゲームの早い段階。荒魂と化した朱雀との戦いで、那岐はいつも以上の鬼道を発揮しましたよね。本来、那岐を加護する聖獣なのでそれも道理かもしれません。でも、ここでも気になるセリフがありました。「この力、呼び覚ましたのは貴様か・・・」、と。つまりここに至るまで那岐の鬼道の力は有る程度封印(セーブ)されてたように聞こえるんですよ。なら、封印したのは誰か。そんなことできる人がいるとしたら、命の恩人でもある師匠以外ないですよね。では師匠はいつ、封印しなければならないほどの力が那岐にあると気付いたんでしょうか。鬼道使いとして育てるうちに?・・・まさか。だって中つ国の中枢(必ずしも鬼道に詳しいとは限らない)が「生後間もない」那岐を見て気付いたのに、スペシャリストの師匠が救った時点で気付かないわけない。例の首飾りと那岐本人を見て師匠は全てを悟り、それでも見捨てることはできずに膨大な力を日常支障ないレベルまで封印してくれたんだろうと思います。
 一方、那岐シナリオで発生する単独での黒龍戦でも引っかかる部分がありました。最終的には力が及ばなかったけど、途中までは互角でしたよね。いくら黒龍が封印状態だったからって、とんでもなくすごいことだと思います。じゃあ、神様といい勝負ができる那岐って、結局何者よ?って話です。
 ここで@、A、E、Fの謎をまとめてみると、以下のようになります。

@白神子は存在するのに、黒神子は不在 
A鬼の一族は鬼道(+瞬間移動)を使う 
E処分されなければならないほどの異形
F白神子の助けも借りず、一人で協力技を使える

 ・・・黒龍と呼応できる能力を持つのが黒神子、「異形だから神(能力が高い)」、「自分イコール神・・・自分は異形」、生後間もなく「異形と分かる要素」、中つ国王位継承者(白神子)の対になる者が持つ、例の首飾りを与えられていた・・・これらすべての要素が那岐に備わっていたとしたら答えはひとつ。那岐に黒神子の要素があった、つまり両性具有だったと考えるのがむしろ自然じゃないか。そう考えて書いたのがオフの三冊です。まあ、一歩間違うと女体化の突拍子もない発想ですが(笑)、でないと謎が解決しなかったのでそういう考え、ポリシーの元にあれらの本は書きました。
 現代社会なら、たとえ両性具有として生まれても医学的処置で内臓生殖器に合わせた性別にするそうです。でも、神様の類が両性具有なのは良くあること(能力が高いほどその傾向は強い、と言われています)。異形は神と考える時代なら「人の手には負えない」と判断しても無理からぬことでしょう。また男(八葉としての資質)の部分と女(黒神子)の部分を合わせ持つなら一人で協力技を使えても不思議はないと思いますし、人でありながら神に近い存在であったかもしれません。
 ・・・で、ですね(ここから同人丸出しの発想)。
 那岐の身体に女性としての生殖能力があった場合(外見上、両性具有でも内臓が両方あるとは限らない)、子供が生まれる確率が出てきちゃいますね。と、すると瞬間移動能力のある相手と子供ができると一気に鬼の一族のルーツに近付いてしまうのですよ。もちろん、千尋がそういう相手と結婚して、鬼道に秀でた子供が生まれる可能性もなくはないですが。いずれにしても風早は真相EDの場合、人になってしまい瞬間移動能力は失われるだろうから土蜘蛛の一族が有力視されますね・・・ゲーム上では、遠夜とエイカしか出てきませんが。だから遠那は迂闊に書けなかったのよ(ぼそり)。
 ・・・と、ここまでお読みくださった皆様、ありがとうございました。すみません、こんなオチで。だけど、@AEFGの謎については、那岐が両性具有でない限り解決できそうになかったんですもの。ご意見ある方、「それはちょっと違うんじゃないの」的な方。もしいらっしゃいましたらご遠慮なくトップページの拍手猫か、肉球封筒(メール)からどうぞです。