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digi ANIME |
’01/08/03 発売 |
前作をフルボイス化したリメイク作品 |
一体この作品の何処が「ハードコア」なんだろう? だって元々あったHシーンが削られてるし・・・。(T-T) 替わりに「ミント」の「おつとめシーン」が追加されてるけど、 明らかにエロ度は低下してるし・・・。(前作でもエロくなかったのに(T0T)) この作品は正確には’00年発売の「不確定」のリメイクではなく、 コンシューマー用の「DASH!」からのリメイクです。 その所為で上記の様な状態になってしまった訳ですネ(^^; しかしその恩恵も計り知れません。 それは「フルボイス化」です。 なんと「悪行双麻」に「子安 武人」様が登場します。 「EVE」以来のこの起用に私は踊り狂いました(^^;(←何物っ!? もぉ〜その演技のハマり方と言ったらそれはもう!! お見事でございますm(_ _)m その為、あえて「お気に入り」にこのリメイク作品を選びました。 ・ ・ ・ 私は元々「菅野ひろゆき様」の大ファンですから、 ほぼ無条件で氏の作品はプレイしています。 これもそんな中のひとつになります。 「EVE」で不動の地位を確立した菅野様ですが、 意外にも「探偵」をテーマにした作品は今の所「EVE」とこの作品しかありません。 (「特命課長」は”元”と言う事で・・・(^^;) それだけにスタッフの意気込みと熱意が作品から伝わってきます。 ただ、その熱意が「カラ回り」している所もあるので、 その辺りを軸にレビューを進めたいと思います。 まず初期設定ですが、 舞台は現代日本。主人公は「クラスA」の名探偵「悪行双麻」。 彼は無類の「巻き込まれ屋」 街を歩けば銃撃戦に出会い、 喫茶店でコーヒーを飲めば強盗が押し入り、 事務所に戻れば瀕死の美少女が縛られている。 そんな「火の粉」を払っている結果、膨大な数の案件を解決して 「アイドラー」の「クラスA」に上り詰めた。 そんな彼の元にまた事件が引き寄せられてきた・・・。 と言うあらすじです。 この作品のキーポイントは何と言ってもこの「世界観の構築」です。 国際ディティクティブライセンス協会「アイドラー」を始めとする その独特で説得力のある世界観は魅力に溢れています。 そこへ始まる「ハードボイルド」なオープニング。 そして個性的で多彩な登場人物。 一瞬これがエロゲーである事を忘れる程の完成度です。 そして菅野様と言えば「新システムの考案」が特徴的ですが、 この作品でも「タイムチャージシステム」が導入されています。 これは主人公が移動するごとに時間が経過する上に 事件解決に期日が設けられているシステムです。 これのお陰で(所為で!?)無駄な移動が出来ない上に 特定の時間でなければ発生しないイベントがあるので、 とても緊張感に包まれたプレイ時間になります。 (とは言っても時間の概念は「同級生」で既に登場していますが(^^;) これが「カラ回りそのいち」に繋がります。 一言で言って難しすぎるんです。 これを攻略記事なしでクリアした人は少ないでしょう・・・。 実際私は攻略なしでとりあえずエンディングまで辿り着いてから、 攻略方法を見て愕然としました。 だって何の脈絡も無い場所とタイミングで重要なイベントが発生しているんです! 道理でCGが埋まらない訳だ・・・。 「誰がこんなん分かんねん!!(怒)」 と思わず関西弁になってしまう程理解に苦しみます。(^^; おまけに複数の事件が同時進行するので「推理プロット」がごちゃごちゃに・・・。 開発者だけが分かる内容は見苦しいですヨ?(←ナゼに疑問形? 次にシナリオですが、 テーマと内容はいつもながら素晴らしいです。 ネタバレ覚悟で言ってしまうと、この作品は主人公の「元」妻である 「神あやめ」の為のストーリーです! 冒頭に「彼の生き様を今は無きAYAに捧ぐ」と出ている通りです。 ゲーム中の各事件はこのテーマの「引き立て役」に過ぎず、 極論を言えばOPとクライマックスさえあればこの作品は成立する程です。 そしてその内容は感涙にむせぶ程で「切なく、激しい」この作品を決定付けています。 それは素直に素晴らしいと絶賛出来ます。 しかしそれこそが「カラ回りそのに」を引き起こしています。 つまり「伏線なんてどうでもイイ!」と言う感情論に発展してしまうのです。(プレイヤーが 実際EDに一度辿り着いてしまうと、いかにもメインヒロインの様な扱いの 「ミント」が霞んでしまって存在意義に疑問を感じます。 これは「伏線」を得意とする菅野様としては 魅力半減です。 最後にストーリー展開を見ていきます。 前述した様にこの作品は全体がクライマックスの為だけの伏線になっています。 その為、クラ前までは比較的淡々と各事件が展開していきます。 本来ならばこの部分で「推理モノ」の本領発揮を期待する所ですが、 この作品はその「推理プロット」も「電波か?電波なのか!?」と言う感じの 内容になっていて、それこそ超能力でも無いと解決に到達出来ません。 (中には幾つか感心するトリックもあるんですけど・・・(^^;) その為に事件部分ではそれほど共感出来ずに進みます。 そこへいきなり感涙モノのクライマックスがドドーン!と・・・。 もぉ、それ以前の出来事なんか吹っ飛んじゃいます。(笑 その結果クライマックスの印象しか残らない状態になってしまいます。 これが「カラ回りそのさん」ですネ。 ・・・と言う事で、この作品は素晴らしいシナリオを ゲーム部分がダメにしてしまった典型的な例です。 しかし「泣きに分類した方が良いかな?」とも思わせるストーリーは 本当に素晴らしいものです。 ・ ・ ・ あなたに命を捧げると誓った 例えあなたから離れても この誓いは変わらない どうぞ使って下さい 私の命 ・ ・ ・ |