Fate/stay night
TYPE−MOON
’04/01/30 発売
魔道大戦を題材にした快作
・・・困りました。

本当はお気に入りから除外しようと思っていた作品です。
何せ悪い所が目に付いて、今ひとつ作品に入れなかったもので・・・。
それでも何故ココに登場したかと言うと、
やはり、それでも素晴らしいストーリーである事の証明です。
それと、ココではお気に入り作品しかレビューしないので「悪評」を書く為には
まず気に入らないといけないと言うのもあって・・・(^^;(←本末転倒

最初に言っておきます。
私のこの作品に対する評価は
「同人の”自己満足”レベルを拭えていない作品」
です。
それでも個々の能力の高さのお陰で、
何とか事なきを得たと言うレベルです。
問題点は山積みなのでこれから書きますが、
「ストーリーレビューアー」として評価せざるを得ない問題作です。



この作品に関しては、いつものレビュー形式だとネタバレになりますので、
変則的ですがこのままダラダラと書きます(^^;
それではまず「悪い点」から・・・。
そのいち
「立ち絵がショボい」
他の作品のレビューでも再三書いてますが、
イベント絵を見てるより、立ち絵を見てる時間の方が長いのは
周知の事実なので、完成度を上げる為には
「イベント絵を異常な程用意する」か「立ち絵の効果やバリエーションで魅せる」
と言う方法はどのブランドでも使われています。
この姿勢はメジャーブランドとして正しい姿だと思います。
なのにこの作品では、「子供でも描けるヨ・・・」と言うレベルの絵しか用意していません。
決して作画レベルが低いのではない事はイベント絵で証明されています。
と言う事は、これは「立ち絵を軽く見た」か「手抜き」としか思えません。

そのに
「Hシーンの絵がショボい」
これも上の内容と酷似していますが、
戦闘シーンの作画レベルから見るとあきらかに「手抜き」が見えます。
私は元々絵画鑑賞が趣味なので、筆者の心が絵に表れるのを知っています。
・・・あなた達やる気はあるんですか?
これは「エロゲー」なんですヨ?
エロ重視ではない私でもこれを許容する事は出来ません。
「手抜き」と「重視しない」は似ている様で違うんですヨ・・・。

そのさん
「音声がない」
・・・とは書きましたが、
この点に関しては賛否両論あると思います。
これだけのストーリーの内容ならば、声は無くても良いかなとも思います。
しかし、あればもっと素晴らしいのも事実です。
最近はエロゲーの声優さんも実力派揃いになりましたから、
決して作品の雰囲気を壊さない演技が期待出来るのに・・・。
特に「Hシーン」は上に書いた理由も相まって悲惨な内容ですが、
声があれば救いもあったのではないかと・・・。

そのよん
「スタッフの自己満足が形になっている」
これはフルコン後に見られる様になる、
「タイガー道場SP」の事ですが、
この中でストーリー解説が展開されます。
古来、「自らの解説は自己満足の表れである」(少しニュアンスは違いますが(^^;
と言われている様に、その内容を読んでいて
正に自己満足がひしひしと伝わってきました。

そのご
「演出がダサい」
主に戦闘シーンの事なんですが、
「ドゴーン」とか擬音を鳴らしながら、剣光が宙を舞うかの様な「手抜きCG」を
画面上で揺らす・・・。
私は20年前のアニメを見てるんじゃナイんですヨ・・・。
そのアトで出てくるイベント絵が中々の出来栄えなのに、これはチョット・・・。
あと、日常シーンで「安っぽい立ち絵」が画面上でスキップする。
いかにも2次元と言う感じがよく表現されています(^^;
・・・パラッパラッパーですか・・・。

そのろく
「テキストが冗長に過ぎる」
これが最大の問題点です。
これはCGも擬音も音楽もある「ゲーム」なんですよ。
絵を見れば分かる内容まで文章にしないで下さい。
これは小説ではナイんです。
それにストーリーの流れで誰でも分かる「心理描写」の為に
フル画面テキスト3〜4画面分使うのはヤメテクダサイ。
クドイんですヨ・・・。
・・・・・
・・・

最後に「良い点」ですが、
これは「ストーリーの内容」の一句につきます。
人間心理を巧みに突いたシナリオ。
正に「燃え」るテーマ。
愛憎劇の中の壮大なストーリー。
無理なく展開する3通りの人間ドラマ。
どれを取っても一級品です!!
一見の価値アリです!!
特に同じ題材で見事に違った展開を見せる
各シナリオは他では見れません!!

今後に期待!!
・・・と言いたいところですが、
次回作は買わないかもしれません(^^;