他教科での「書く活動」
川 部 長 人

 国語科で学んだ「書くこと」が、他の教科でどのように生かされているのか考えてみた。体育科では6月中旬から水泳の学習が始まった。授業中にふりかえりの時間をとるのが難しかったので、子どもたちは日記で水泳の学習について書いてきた。

 みなさんは水泳が得意ですか。得意な人が泳ぐ姿を見ると、息つぎをいつしたかと思うほど自然な小さな動きでしています。ところが水泳が苦手な人にとって、息つぎは難しいものです。そんな人たちのために息つぎのコツを紹介します。息つぎには三つのポイントがあります。

 一つ目は口の出し方です。息を吸うには口が水面から出ていなければできません。あなたはどうしていますか。あごを上げて前に顔を上げていませんか。そうするとかなり首がつかれます。また、その姿勢の時、水をかくうでの動きが止まってしまいます。息つぎのたびに進む勢いが弱ってしまうのです。正しい口の出し方は、あごを引いて、顔を横に向けるだけです。それでじゅうぶん、口は水面から出ます。向きは右でも左でも、あなたのやりやすい方で構いません。

 二つ目は息つぎのタイミングです。これはうでの動きと関係します。水をかいたうでは、次またかくために、肘から水面の上に出ます。それと同時に、出した腕と同じ側に顔を横に向けて、息つぎをするのです。そして指先から腕がまた水に入るときに、顔も水中にもどします。

 三つ目に息のはき方とすい方です。息は顔が水中にある間に、少しずつ鼻と口からはき出していきます。そして苦しくなる少し前に水面から顔を出します。その時に、残っていた息を一気にはき出して、すばやく息をすいこみます。文で読むと難しそうに思えますが、人間の体は息をはけば、吸えるようになっているので大丈夫。息をはくときは、息を吸い込むいきおいをつけるために、口まわりの水をふきとばすくらいのいきおいではきましょう。泳ぎながら練習するのが難しければ、はじめはプールの中で足をついたまま練習するといいですよ。その時に、自分は左右どちらで息継ぎをしやすいか見つけましょう。(Aさん)

 Aさんはスイミングスクールに通う、水泳が得意で大好きな子。苦手な人にも水泳を好きになってほしいという思いから、呼吸のポイントを説明文で学んだ読み手に伝わりやすい書き方を意識して書いてきた。学級通信でAさんの日記を紹介すると、次の水泳の学習でAさんにアドバイスをもらいに行く子がたくさんいた。普段の生活でも、国語科の学びを生かしていってほしい。
(東近江市立能登川南小)