詩人になる
好 光 幹 雄

T 〇ん〇ん 〇ん〇ん のうた (板書)
 この〇の中に、ひらがなが一つ入るよ。みんな同じひらがなです。例えば、「か」を入れると。「かんかん」て、なりますね。「かんかん」って、どんなときですか?
C 鐘がなるとき。怒るとき。…
T  では、かんかん かんかん かねがなる (板書)
 こんな感じで、みんなで作ってみるよ。
C うんうん うんうん。
T そうです。そんな感じです。いいね。どんなときですか。
C うんこするとき。
T なるほど。言うと思ってました。大切なことですね。うんこ出なかったら大変ですね。
 うんうん うんうん がんばるよ (板書)
T お母さんが台所で頑張っているとき、どんな音がしますか?
C あっ、料理するときです。まな板とかで、とんとん。
T なるほど、そうですね。まな板で包丁をとんとんしますね。
 とんとん とんとん りょうりする (板書)

 こんな感じで、一年生の子どもたちとうたを作りました。

   〇ん〇ん 〇ん〇ん のうた
 かんかん かんかん かねがなる
 うんうん うんうん がんばるよ
 とんとん とんとん りょうりする
 らんらん らんらん さんぽみち
 きんきん きんきん かきごおり
 あんあん あんあん あんこもち

T  では、今日勉強するひらがなはどれか、もう分かりますね。
C 「ん」
T えっ、聞こえないよ。
C 「ん」!
T 大きな声で!
C 「ん」!!
T はい、「ん」ですね!(笑)

 一年生の入門期は小学校教育の基礎の基礎。中でも文字の読み書きの学習は極めて重要。きちんとしっかり身につけさせたいものですが、子どもの学びの意欲が無ければそれは不可能です。ひらがなも機械的に正しい筆順を教えれば良いと言うものでもありません。文字の一つひとつにも興味関心を持たせ、捜してみたい・書いてみたい・使ってみたいと思えるよう な工夫を少しでも取り入れたいものなのです。因みに「あいうえおうた」も教科書には少ししか掲載されていません。そこで全ての五十音の「あいうえおうた」を自作しました。勿論、拗音や濁音や片仮名も。

 一年生の教室は、子どもと私を詩人にしてくれる楽しい教室です。久しぶりに公立の小学校の教壇に立ち、私は夢を追い続けています。
(大津市立瀬田小)