2 年 生
弓 削 裕 之

 今年度、2年生を担任させていただくことになった。昨年からの持ち上がりだが、クラス替えをしており、子どもたちとともに新しい気持ちで臨んでいる。

 「キャリアパスポート」の取り組みが始まってから、学期の初めに書く「1学期のめあて」の内容に工夫を加え、子どもたちの「夢」や「なりたい自分の姿」が表れるようにしている。1年生の3学期は、「こんな2年生になりたい」と題し、2年生に向かう決意を言葉にした。

 2年生になって2日目、学校に1年生がやってきた。朝の教室には、どこかそわそわしている様子の子どもたちがいた。「あいさつしに行っていいですよ」と声をかけると、「いいんですか」という表情で、すぐに教室を出て行った。1年生の先生から「2年生が来てくれた」と報告を聞き、2年生にとって特別な日になったことを実感した。

 同じ日に、「1学期のめあて」を書いた。自分の良さを見つけ、きらきらかがやいてほしいという思いを込めて、「2年生かがやきカード」と題名をつけた。「じぶんのすきなこと」「1学きにがんばりたいこと」「クラスのみんなへのメッセージ」などの項目に加え、1年生の最後に書いた「どんな2年生になりたいか」の項目もつけた。すると、クラスの半数以上の子が、1年生を意識した内容を書いていた。丁度、教室に「キャリアパスポート」のファイルがあったので、1年生の時に書いたものと比べてみた。

A 人にやさしい2年生になりたいです。(1年生)
  1年生におしえてあげられる2年生になりたいです。(2年生)

B かっこいい2年生になりたい。 (1年生)
  1年生におしえる2年生になりたい。(2年生)

C ずうっと○○さん(仲の良い友だちの名前)といっしょになりたい。(1年生)
  1年生にやさしくできる2年生になりたい。(2年生)

 Aさんは、1年生が学校に来たことで、「人にやさしい」という「なりたい自分」の姿を具体的にイメージして言葉にできるようになっている。1年生のまとめの作文では、友だちに折り紙を教えてもらってうれしかったことを綴っていた。次は、教える側になろうとしている気持ちが伝わってくる。Bさんは、「クラスのみんなへのメッセージ」にも、「1年生にいっぱいおしえようね」と書いていた。あとで1年生の先生に聞くと、靴箱の場所を間違えながらも、がんばって靴の入れ方を教えようとしてくれていたそうだ。その姿、とても「かっこいい」と思う。Cさんは、身近な友だちのことから、広い世界に目を向けている。「がんばりたいこと」にも、「1年生を学校たんけんにつれていくこと」と書いていて、頼もしさを感じた。

 今後も、1年生とのかかわりの中で、かがやく自分を見つけてほしい。
(京都女子大学附属小)