▼脳科学者である東北大学の川島隆太教授が「夢をかなえる近道が4つある」と5年生児童(小野市) を対象に講演をされたというお話を聞いたことがあります。印象に残っているのは「前頭前野をもりもり鍛える」ということでした。

▼他の3つは「学校できちんと勉強をする」「おうちの人と毎日話をする」「友達と学びともに遊ぶ」ということで、小学校で大事していることでした。さらに、「どうやって前頭前野を鍛えるのか」については、「読み・書き・計算」を少しづつ継続的に取り組むことをあげておられたそうです。

▼「前頭前野を健康的に育てる」ことにおいて言葉の力が大きいことは、次のことでよく分かります。それは、「おうちの人と毎日話をする」です。一般的な言い方をすれば、コミュニケーション(聞く・話す)の大事さと理解できます。家庭はもとより学校においても「対話」ということを授業の正面に据えている意味を改めて考えてみました。対話の始まりは「あいさつ」「視線を合わせること」「よさを言葉で伝えること」です。授業で、「教師中心」「問答型授業」が課題になるのは「対話」ということから考えると納得できます。

▼入学・進級等の夢と希望の4月です。「前頭前野を健康に育むこと」を視野に入れた指導の視点を持ちたいものです。   (吉永幸司)