理科川柳を作ろう
蜂 屋 正 雄

 本校では昨年、「考えることを楽しむ子ども」の姿を目指して、理科の研究授業に取り組んだ。理科学習の思考過程を楽しめる児童を目指し、@自分の考えを持つ、A友だちとの話し合いで自分の考えの妥当性や友だちの考えとの共通点や差異に気づき、B自分の考えを深め再構成する。という学習の姿を目指した。国語科と異なり、理科での学習教材はものであり、自然である。文章で表現することが苦手な児童にとっては、国語科よりもむしろ理科のほうが言語活動を行いやすいとも考え、学習を仕組んでいった。

 そして、普段の授業と並行して、いくつかの単元の区切りで、国語科で取り組んできた俳句の学習をいかし、「理科川柳」にも取り組んできた。学習後、理科で学んだ事柄や感じたことを五七五で表すとどうなるかを表現させてみようと考えた。標語のように、事実を並べたものから、感じたことを表現したものまで、様々な「作品」になった。

 国語科の句会と同様に、川柳を作り選句をした。
@ 理科のノートと教科書を見ながら、学習したこと、覚えているエピソード、振り返りなどを五七五でまとめる。(10分でたくさん作る)
A タブレットを使って、一番気に入ったものを教師に送る。
B 後日、授業支援ソフトのアンケート機能を使って、作品だけを児童に配信し、気に入った作品5つ選ぶ。
C 投句の結果を発表する。
D 作品と作者を発表する。
E 感想を書く。

子どもの作品より
 〇 芽が出たが ヘチマとヒョウタン どっちかな
 〇 理科室で いろんなものを おぼえたい
 〇 一番は お昼すぎなの なんでかな
 〇 いろいろな 月の形は おもしろい
 〇 電流の 直流回路は 最強だ
 〇 雨水は 高いとこから 下に行く
 〇 自分だよ こわいけれども ガイコツは
 〇 生き物の 季節のちがい おくぶかい
 〇 実験で 水ちぢまない なぜだろう

 上記の作品は、児童の中で支持を得た作品である。それぞれ、同じ思いを持った児童が多くいた出来事や学習事項が表現されている。一方で、共感できるのは一部であるが、実験での思い出や驚きを表現した作品も多くあった。今回は、複数単元をまとめて句会を開くことが多く、どうしても、最後に行った実験の句が多くなった。また、川柳にも慣れてきたこともあって、普段の自主学習や作文の宿題を理科川柳にするなどして、日常化することで理科の学習を授業や理科室でとどめることなく、より、生活に近づけることもできたと考える。機会あるごとに教科に限らず川柳に取り組んでみたい。
(野洲市立北野小)