ICTの効果的な活用
箕 浦 健 司

 「表現の工夫をとらえて読み、それをいかして書こう」(光村図書 六年)
 今年度から一人一台のタブレット端末が配付された。本校は算数科を窓口に授業研究を進めており、授業の中でのICTの有効活用は研究内容の一つである。もちろん算数科だけでなく、他の教科等の学習でも日々実践を積み重ねている。今回は、本校六年生の実践を紹介する。

 本単元は、まず高畑勲氏の「『鳥獣戯画』を読む」を読み、表現の工夫を学習した後、それをいかして、自分の選んだ日本文化を発信するパンフレット作りに取り組むという内容である。

 本単元の指導事項は、
o 筋道の通った文章となるように、文章全体の構成や展開を考えることができる。(思B(1)イ)
o 引用したり、図表やグラフなどを用いたりして、自分の考えが伝わるように書き表し方を工夫することができる。(思B(1)エ)

 「『鳥獣戯画を読む』では、筆者が「絵」のどこに注目しているか、また、筆者が「絵」の何を評価しているかについて着目し、その文章表現について学んだ。「日本文化を発信しよう」では、タブレットを用い、自身の発信したい日本文化を決めた後、スライドショー形式でまとめることとした。

 まずは、内容と構成について。話し合いでは、
「読者に、その文化を知っているか呼びかけの文を入れたらいいと思います。」
「その文化の良さを評価する文章を工夫して、パンフレットの中心に載せればいいと思います。」
などの意見が出た。また、本単元では、本やインターネットで調べ、集めた情報の取り扱いも大切な学習事項である。引用する際にはかぎを付けたり、本文よりも少し下げたりすることを確認。また、出典を明示することについても確認した。結局、スライドは五枚で、一枚目はタイトルと図や写真、読者への呼びかけ。二枚目は、その文化の歴史。三、四枚目が中心で、その文化への評価。五枚目は、引用した文献やウェブサイトの名称とアドレスを掲載する、ということに決まった。そして、各々がタブレットでのスライドショーによるパンフレット作りに取り組んだ。

 今回、データでの作成・交流としたことで、以下のことをスムーズに行うことができた。
 o インターネットによる調べ学習
 o 画像や図表などの貼り付け、レイアウト
 o タイトルや強調したい文字のサイズや字体の変更
 o 発表や相互の交流
 特に交流については、各自の端末で学級全員の作品を短時間で読める。今回は完成したものを読み合い、交流したが、作成途中で交流し、アドバイスし合うことも短時間で十分に行え、アドバイスを踏まえた修正も容易である。今回、ICT活用が指導事項の習熟に大変有効であることを確認することができた。

 最後に、生け花を紹介した児童の一枚目のスライド。
<生け花で生活を華やかに 〜玄関など、さまざまな人が来るところに、自分の個性を飾ってみてはどうですか〜>
(長浜市立南郷里小)