声で表現する
北 川 雅 士

 詩を朗読して紹介する学習に取り組んだ。
 導入では朗読について確認し、みんなで気持ちを込めて読む練習を行った。これは以前に群読指導に来ていただいたラジオDJの方から教えてもらった方法で、ひらがな一字を声に出して感情表現する方法だ。今回は「あ」で5パターンの感情を表現してみた。

 @ ・・・びっくりしたときの「あ」
 A ・・・納得したときの「あ」
 B ・・・何かを見つけたときの「あ」
 C ・・・怒っているときの「あ」
 D ・・・突然の出来事に感激したときの「あ」

 これをペアで順番に声に出し、声に気持ちを込めるというのはどのようなことなのかを体感した。そのあとで教科書に掲載されている詩、八木重吉の「ぽくぽく」をノートに視写して、それぞれが詩について自分なりに解釈したことなど、文章全体に対する思いや考えを書いて交流した。「なぜこの子はまりをついているのだろう」「まりってぽくぽく音がするのかな」「にがいにがいって2回繰り返しているから余程嫌なことがあったのかな」「何が花に見えるんだろう」など様々な視点から自分の考えを話したり、議論する様子が見られた。次に詩に対する自分の考えを「声」で表現するために、読むスピードや、声の大きさ、間の取り方などを視写した詩の横に書いて小グループで詩の朗読を交流した。

「言葉をどのように読んでいくのかをしっかりと考えて朗読することができました。読み方を考えるというのはまだまだ難しいです。」
「朗読の交流をして、演劇をしているみたいだと思った。詩の朗読は初めてだったけど、読み方のちがいが楽しかったです。」
「ぽくぽくという部分を意識して同じスピードで読むことができました。なかなか自分のイメージ通りに読めないので難しいと思いました。」
「朗読してみて思ったことは詩に感情をいれることで、その詩の景色が頭の中で想像できたのでいいなと思いました。」

 新型コロナウィルスの感染が拡大して以降、声を出して表現する活動は制限される場面も多い。しかし、声に出して表現するよさや面白さを、このような学習を通して学んでいくとともに、今後は声に出すだけでなく「伝える」ということを意識した指導にも取り組んでいきたいと思う。
(彦根市立城南小)