『いつもやってる“ふえおに”だ!』
川 端 大 介

 3学期が始まり、教室に子どもたちの元気な声が戻ってきた。その元気な声が「3学期もみんなでがんばろう!」と言ってるかのような勢いが感じられた。
 国語科では、音読にこだわって指導をしてきた。文章の内容理解や記憶の定着、授業の雰囲気を前向きにする、自分の読みの再認識等、音読の効果は計り知れない。

 2年生3学期初めの物語教材『おにごっこ』を初めてクラスで読んだ後の出来事を紹介する。  1時間目は、教師が範読しその後に子どもたちが追い読みをする。言葉の確認を行った後、1人読み、ペア読みと変化をつけた音読活動を行った。1人読みが終わった時の事である。
 「先生、このお話の中にいつも僕たちがやっている『ふえおに』の説明が書かれているよ!」
 とある児童が言った。それに続くように、「分かる分かる〇ページの△行目だよね。」と子どもが発言する。

 授業の計画は立てていたのだが、「ぼくたちがやっている『ふえおに』のルールと少し違いがある。」の発言から、説明文とクラスの体験の差異から授業を組み立てるようにした。  単元の学習課題を「2の1のふえおにをさらにおもしろくするための工夫を見つけよう」とした。  私は、休み時間を子どもたちと遊ぶようにしている。遊びを通して子どもたちと心から繋がることで学習指導がより良いものになると考えているからだ。
 その遊びで『ふえおに』が大人気なのである。「おにが交代せずに、つかまった人が、みんなおにになっておいかける」。最終的には、全員がおにになる。
 4月からクラスで取り組んできた『ふえおに』が国語の教材文の中に盛り込まれていることに対して、子どもたちはとても喜んでいるように感じた。体験を通した学びは、身体の中にストンと落ちているのが手に取るように分かった。

 今は、まだ物語教材の指導途中である。つくづく感じるのは「体験」を通した学びがこれほどまでに、学習の勢いを加速させるのかということである。
 自分の持っている知識によって「知ってる!」と自信を持って発言する子どもたちが輝いて見える。  これから、学習を進める上でも、「いつもやってる〇〇」と子どもたちから出るような学習計画を立てていきたいと思った。
 物語教材の学習後の『ふえおに』が楽しみで仕方がない。本文の内容や、遊びが書かれている図書から子どもたちが今よりもレベルアップさせるためにどんなルールを付け加えるのだろうか。少し、期待しているのは「僕たちの『ふえおに』はもう書かれていることは工夫しつくしているよ!」という子どもたちの声であるかもしれない。
(守山市立立入が丘小)