子どもたちの人権標語を活かす 人権教育推進協議会(新旭)
伊 庭 郁 夫

 本年度は、高島市人権教育推進研究会新旭地区支部長を担当させていただくことになった。「人権教育を楽しく身近に」を心がけた。コロナ禍、主な取り組みは2点であった。

 1点目は、新旭地区人権研修会の実施である。講師に人権落語をされている「水平亭平助」さん(本名安田晴彦さん)をお招きした。お名前は「水平社」からとられたとお聞きし熱い思いを感じた。
 アンケートの中から少し紹介する。
○人権落語を初めて聞きましたが、とても聞きやすく楽しく聞くことができた。身近な話を交えて聞けて、心にストンと落ちた。
○長浜市の富田人形を支える地域のお話はとても良かった。自分の反省材料として心に響いた。
○人権の基本を落語でされ笑いもあり楽しかった。研修内容を友人や知人にも話して一人でも多く広げたい。
 講師をしてくださった「水平亭平助さん」には、この日の為にネタを練り随分練習してくださったのだと感じた。事務局にも大変お世話になった。

 2点目は、人権啓発作品の募集と優秀作品の決定である。
 昨年度は、標語の部2658点、イラストの部3点の応募があり、その中から17点の優秀作品が決定された。高島市内の小学校1年生から中学3年生の子どもたちから多くの作品が応募された。優秀作品については、高島市のホームページや人権啓発物品に活用されている。

 私は、職場で利用者の研修を担当し「人権研修」は、年に2度実施している。そのうちの1回を「人権啓発優秀作品」の活用にあてたいと考えた。優秀作品17点の中から10点を選び、各標語についてキーワードを隠しておいて利用者に考えてもらう。模造紙に人権標語を書き、キーワードを丸く切り抜いた黒画用紙で隠す。キーワードの文字数に応じて丸く切り抜いた黒画用紙を貼り付ける。
 その中から実際に選んだ優秀作品の提示と「キーワード」や選んだ視点を4点紹介する。

1 ふわふわことばみんながつかうと○○○○えがお  (1年生)
 「にこにこ」学校現場ではよく心がぽかぽかするふわふわ言葉を考えたことを思い出す。「ありがとう」「ごめんね」「すごいね」「よくがんばったね」等のふわふわ言葉によって、がんばっているときやつらい時に励まされる。利用者からは「あかるい」ではないかとの考えが出た。もちろんそれも4文字ですてきな意見であった。

2 よいところ ○○○めいじん なりたいな  (1年生)
 「さがす」『美しいものを美しいと思えるあなたの心が美しい』という相田みつをさんの言葉を連想する。人権で大切なことは、優しさを見つけられる心のように感じる。

3 いらないよ 心の〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇  (6年生)
 「ソーシャルディスタンス」 コロナ禍で、よく聞く言葉になった。標語も世相を反映している。「社会的距離」のことである。心に距離は不要である。この「ソーシャル・ディスタンス」は社会的孤立を生む可能性があるとして、世界保健機関では「フィジカル・ディスタンス」(身体的・物理的距離)に言い換えるよう推奨しているそうである。

4 認めよう 十人〇〇〇の素敵な個性  (中学1年生)
 「十色」本年度、私の所属する社会福祉法人「虹の会」では、新しいグループホームが完成し10人が入所することからその名前が公募され決まったのが、「といろ」である。

 昨年度に引き続き、本年度も多くの人権啓発標語が集まった。
(社会福祉法人虹の会アイリス)