俳句教室から
西 條 陽 之

 季節を感じ、語彙を高めることを目的に全校での句会、詩人会を行って2年目となり、会を重ねるごとに子どもたちの俳句の腕も上がってきている。各学級から集めた句を廊下に掲示し、全職員が点盛りに参加する。高得点句は放送委員会が昼の放送で表彰するというのが本校の取り組みの流れである。掲示された各学年の俳句に「これ、すごいよな」「さすが6年生やなあ」などと話し合っている子どもたちを見ると嬉しく思う。俳句にはそれを詠んだ子の見方や考え方が込められている。全校で取り組むことで、小野小学校一人ひとりの子どものことを職員で語り合うきっかけにもなっている。

 先日開催された「第3回近江の子ども俳句教室」では有志で募った句の中から学級の子が賞をいただくことができた。入賞作品が FMくさつで紹介されるということで、朝の会にオンデマンド配信を子どもたちと一緒に聴くことにした。学級の子の作品が紹介されると拍手が沸き起こり、みんな自分のことのように喜んでいた。「もっと聞かせて!」と、他の子がどんな句を詠んだのか、そしてどんな講評がつけられているのか、じっくりと耳を傾ける姿があった。秋、冬の部では、さらに多くの投句があるにちがいない。

 俳句の学習や取り組みを通して、子どもたちの四季を感じる力は確実に伸びている。それと同時に、語彙の広がりや他者への関心も高まる一助となっている。俳句の良いところはその敷居の低さにある。1年生ならば、季語を並べるだけでも構わないし、字余りであっても語感やリズムが気に入ればそれでも良い作品たり得るのだ。十七音の短い句の中に、その子だけの感動や生き方が宇宙のように広がっている。こちらも俳句を見ながら、子どもたちの視点や成長に驚き、笑い、感動しながら素敵な時間をいただいている。
(大津市立小野小)