「『鳥獣戯画』を読む」から学ぶ表現のテクニック
北 川 雅 士

 「『鳥獣戯画』を読む」(光村図書6年 創造)の学習に取り組んだ。今年度は、「『鳥獣戯画』を読む」の学習を通して学んだ表現の「すご技」を使いながら、自分たちの学校の良さや特色をパンフレットにまとめ、中学校で一緒に学ぶことになる中学校区の小学校に送って読んでもらうという単元計画を立てた。

 導入で担任の出身校の紹介パンフレットを見て学習の見通しをもち、学習計画をたてて、まずは「『鳥獣戯画』を読む」から今まで自分たちが知らなかった表現の「すご技」を探す学習を行った。教科書の文章を読みながら自分が「すご技」だと思った言葉や文に線を引いて付箋に書き出し、グループで観点ごとに、@表現、A絵の示し方、B論の展開、の3つに整理していった。
 付箋を整理した後で、観点ごとに高畑勲さんの「すご技」をまとめていった。この際に何度も確認したのは「自分たちのパンフレットに活用できる『すご技』である」という点である。文章から読み取ったものを自分たちの言葉で「すご技」として活用できる形にして一覧にしていった。

<見つけた「すご技」>
 ・読む人が見やすいように絵を示す。
 ・身近な言葉を使いながら説明する。
 ・読む人に問いかけるように文章を書く。
 ・まず絵のことを説明してから、自分の思いや考えを書く。
 ・説明しやすいように資料を加工する。
 ・比喩表現や擬音を使う。
 ・絵や資料のどこを見てほしいか説明する。
 ・読者に共感してもらえる書き方をする。
 ・読み手の心をつかむ表現をする。

 この「すご技」の一覧は、この後、パンフレットを下書きした後の推敲の際に、きちんと生かすことができているかの確認にも使用していきたいと考えている。
 「『鳥獣戯画』を読む」の学習は何度も指導してきたが、今まで以上に「パンフレットに生かす」ということを意識して学習ができたように思う。パンフレットがどのようなものになるか今から楽しみだ。
(彦根市立城南小)