▼授業(ワーク形態を除く講義)にはいくつかの方法がある。私の経験では次の三つが思い浮かぶ。一つ目は、パワーポイント等の機器を活用し学習内容を丁寧に伝える方法。二つ目、テキストの大事なことについて詳しく説明をする方法。詳しくとは、学生の反応を見ながら、授業や子供の様子がわかるように具体的に補足する。三つ目は、テキストの範囲をもとに、大事なことを補足する。加えて、自分でまとめる時間を、講義内容のひとまとまりごとに設ける方法。

▼講義内容の新しさとともに資料の豊富さをもとに深い内容を伝え、興味を持たせる上では一つ目、二つ目は手応えがある。講義に興味を持たせたり、内容を具体的な姿で理解するという意味においてである。しかし、指導内容が定着しているのは三つ目である。それは、意図的に「書く活動」を授業に設けているからである。書くことを目的にテキストを読み返す。講義の内容を整理するという活動の効果である。

▼授業で数回書くことについては、負担を感じている様子を見せる学生もいる。それは、書く文章の量と文章内容の語彙力に、高校までの学習力の蓄えが影響してくるからである。

▼「書くこと」は、学習力の基礎基本となる活動として、特に、小学校では、大事にしてほしいという気持ちが強い。   (吉永幸司)