新聞を読もう
西 條 陽 之

 「新聞を読もう(光村図書5年)」は、新聞の作りを確かめ、同じ内容の2つの記事を比べることで記事の内容が異なることを学ぶ単元である。ネットニュース等で情報が即座に手に入る今、新聞を購読している家庭も減少しており、子どもたちが新聞を読む機会も減っている。5年生は新聞以外の情報メディアについても社会科で学ぶ。情報にまみれた生活の中で、能動的、多角的、批判的に情報とうまく付き合える子どもたちになってほしい。

 新聞の1面から作りを確かめる活動では、教科書で見出しやリード文などを確認した後、タブレット端末に取り込んだ紙面を共有し、各名称を書き込んだ。囲み線や矢印、色などを工夫して新聞の作りを再確認した。友達が書き込んだページを閲覧して、自分のページと比較することで安心して作業ができたようである。

 タブレット上で共有できることは素晴らしいことであったが、やはり本物の新聞に触れて、読んでほしいという思いがあった。そこで、近くの新聞販売所にお願いをして、その日の朝刊を人数分提供していただいた。新聞をめくることから苦戦している様子。机では広げきれず、「床で読んでもいいですか」と何人も聞いてきたので、「ご自由に」と伝え、気になる記事を探す時間をたっぷりと取った。「新聞の方が正確に詳しく書いてある。」「ニュースで耳にして気になっていたことが全部書いてあった。」タブレットの画面上だけでは気づけない、本物で学ぶ価値が、彼らの真っ黒になった指先に表れているような気がした。
(大津市立小野小)