夏をテーマに俳句をつくろう
北 川 雅 士

 1学期の終わりに、「夏」をテーマにした俳句を作り、句会を開く学習を行った。6年生1組では、4月から毎月月末に句会を開いている。テーマはその月ごとに見たこと、感じたこと、経験したことなど。句会の後には投票で優秀賞そして担任から特別賞を選んでいる。本年度はICTを活用した俳句作りや句会の進め方も考えていきたいと考えながら、進めている。今回は7月の句会。夏休み前なので、テーマを「夏」に設定した。

 週予定で、句会を開く日を設定し、その前日は登下校の道や家の周りで見つけたものをノートにメモをしてくるように課題を出している。風景や、友だちとの会話、家の周りの草花や虫や鳥、冷蔵庫の中や食卓に並ぶものなどをノートに書いた状態で学習に入る。あわせて教科書の「季節の言葉」にあわせて、その時期の代表的な季語をみんなで確認しながら、句を作っている。今回は7月の夏休み前なので、家でメモしてきたものにも夏らしいものが多く並んだ。

 小グループで家で書いてきたノートのメモを読みあい、交流した。「昨日、かき氷食べたんよ」「朝ひまわりが咲きかけてた」「○○くんが夏休みバーベキュー行くって言ってた」「育ててるカブトムシが大きくなった」「エアコン派か扇風機派か」。この時間が一番盛り上がる。それぞれが自分の見つけた「夏」をテーマに盛り上がった。その後、席を戻して、俳句を作る。できた俳句は短冊に清書するだけでなく、オクリンクという情報共有ソフトを使用して、データを全員提出し、そのデータですぐに句会を開いた。6月からこの方法で句会を開くようにしているのでこれが2回目であったが、それぞれがタブレット上で全員の俳句をすぐに共有できるところはとても便利だと感じている。

 全員で俳句を読みあった後、オクリンクで投票する俳句の番号を記入したカードを担任に送信し、7月の最優秀賞を決めた。1位の句は「炎天下 向日葵の花 太陽へ」に決まった。子どもたちからは「文字だけで暑そう」「自分の家も向日葵が咲いていた」「風景が思い浮かぶ」などの感想があった。ちなみに北川先生特別賞は「カブトムシ 木の幹土俵 相撲とり」を選んだ。この句をよんだ子は、ふだんから意欲的に国語に取り組むタイプではないのだが、にこにこしながらカブトムシの話をしているのが印象的だった。

 今年度、6年生1組の句会のめあては「自分らしさが表現できる1句」を作ることにしている。毎月の俳句作りを楽しみつつ、文字で表現する楽しさを感じてくれるとうれしいと思う。
(彦根市立城南小)