▼令和2年3月、新型コロナウイルスの感染拡大防止策として政府が要請した小中高校などの臨時休校から約1年と4月が過ぎた(令和3年7月現在)。このことで気になっているのが、現在小学校2年生の子ども達である。

▼入学した子ども達の4月と5月は、学校生活の始まりとして学習の仕方、学校における暮らし方、友だちとの関わり方を学ぶ時期である。それは、集団生活における生活の仕方や約束を覚える時期である。国語科で言えば、平仮名を正しく覚えることを初め、基礎となる内容を正しく学習する指導を受けながら「学ぶ」ことを少しずつ蓄える時である。教師にとっても一人一人の子どもに寄り添い、不安な心を共有し、子どもの理解をしながら、信頼関係の初めの一歩である。教育には、時間をかけて身につけることと、その時、その時代で育てておくべきことがある。

▼学校が始まっても、全校で学ぶ機会は少なく、学校生活の全体が理解できないまま2年生に進級した子どもに、2年生の先生は、1年で学ぶべき学習内容は、習得しているであろうという前提で授業や日々の指導が行われている。

▼気を付けて2年生の子を観ると、今までと違うと感じることがある。1年生の最初の学習や暮らしの指導ができていなかったということを理解してほしい。「今までと違う」を大事にして、応援してやってほしいと思うこの頃である。   (吉永幸司)