よく見て書こう〜原稿用紙の使い方
蜂 屋 正 雄

 国語指導を始めて二ヶ月。日記も週一回程度書き続け、三〇〇字の日記を半数以上の子が書けるようになってきた。
 一方で、書くことを明確にイメージできず、なかなか書けない子も当然いた。原因として、出来事や見たもの、経験したことを「そのまま書く」という経験が不足していること、また、「正しい書き方」を求めて、書きあぐんでいることがあると考え、今回の学習を考えた。

 教師の動き(三十秒程度)をできるだけ詳しく書く。
 初めに、教科書「原稿用紙の使い方」を参考に、・題の書き方・名前の書き方・改行のルール・句読点の打ち方、などの教科書にあった基本的なことに加えて、物語文「白いぼうし」でも学習した、思ったことは鍵括弧を改行しないで使うことを確認した。
 一時間の流れとしては、
@ 学習目標を確認する
A 教師の動きを見て書く
B 班で読み合い、「いいな」と思ったところに線を引く
C 友だちのよい表現を自分の原稿用紙に書き足す
D 振り返りを書く、である。
 一時間目はとにかく原稿用紙の正しい使い方を意識する。二時間目では、保護者参観もあったが、
○友だちの良い表現を取りいれること
○つなぎ言葉「でもなぜか」を入れること
○「終わり」として、見て書いたあとの感想を入れること、を加えた。

 一時間目では全員が一〇〇字を越え、二時間目では一四〇字を越えることができた。
 原稿用紙の使い方も、自己評価と友だちによる評価、その後教師の評価も加えることで、句読点についてはほぼ全員、鍵括弧についても八割は正しく使えるようになった。

〈終わり〉
○「大人の人もいる前で、いろいろな動きをして、蜂屋先生ははずかしくないのかな」と思いました。 ○「蜂屋先生は、やっぱり蜂屋先生だな。」と思いました。
○今日の先生も面白かったです。
〈児童の感想より〉
○わたしは「そっと教室に入ってきて」、と書いたけど、「どろぼうみたいに」とか「あやしい様子で」など、いろいろな表現で書けるのがすごいと思いました。
○友だちにはいろいろな表現が自分の中に入っているんだなと思いました。
○ほとんどの人が四〇〇字以上いっていて、すごいと思いました。

   子どもたちには、行数を増やすことを目的に書かせたが、今回書けたこと、書けるようになったことを楽しさや自信にして、今後の書く活動の励みにできそうである。
 まだ、話し言葉と思った言葉の区別やつなぎ言葉の使い方など、全員が正しい原稿用紙の使い方が習得できたわけではないが、「経験をそのまま書き、感想を述べる」という活動は、今後の日記指導や学習のふり返り、学習感想にいかしていきたい。
(野洲市立北野小)