ものの見方を広げる
北 島 雅 晴
テープカッターを提示して、何に見えるかを二年生の子どもたちに尋ねてみた。 「テープ台は、〜のようです。」 C かたつむりのようです。 C サイのようです。先の部分が角になっている。 C くじらのようです。 C くつのようです。 C 月が昇るように見えます。セロハンテープがお月様です。 思った以上に、いろいろな見方が出てきた。二年生の発想はたいしたものである。 次に、「雲」について尋ねてみた。 それぞれの子が見た雲は違ったものなので、いろいろな発言が出てくる。 ・犬の毛 ・ふわふわの毛 ・白い海 ・けむり ・実験で爆発したけむり ・ちょうちょ ・羊の毛皮 等 C 白い海というのは、飛行機から見た雲です。 C 雲ばかりで、海のようでした。 C 綿菓子も考えたけど、だれでも思いつきそうなのでやめました。 T ではこの中で、一番きれいだなと思うのはどれでしょうか。 子どもたちは、「白い海」が一番気に入ったようである。 ここまでは練習問題。 【 】は 〜 のようだ。という文を作る学習を行った。 T 例えば、【 】に「お母さんが怒ると」と入れると、〜には何が入りますか。 C うちのお母さんは優しいけど…。 C 分かった、「鬼」が入る。 C 「地獄」です。 T それは、ちょっと大げさすぎないかな。 という話をしながら、文を考えることにした。 〇妹がわらうと、まるでてんしのようだ。 〇ぼくのつくえの上は、高い山のようだ。 〇お母さんがおこると、まるで火山のようだ。 〇弟がなくと、まるできゅうきゅう車のようだ。 といった文を一人二〜三文作った。その中から一つを選んで詩を作るのが、次時の学習となる。 この学習は、「ようすをあらわすことば」の学習の一環として行った。例えば、雨が降る様子を表す場合、「しとしと」「ざあざあ」「ぽつぽつ」ということばを使うことによって、表現の広がりが生まれる。地味な学習ではあるが、その場に応じた言葉を見つけることによって、ものの見方が広がり、語彙を豊かにすることができる。言葉は、実際に話したり書いたりすることによって、豊かになると考える。ちょっとした、言葉の学習を大切にしたい。 (栗東市立大宝小)
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