▼総務省による「青少年のインターネット利用環境実態調査」という調査結果によると、小学生のスマホ所有率は2019年時点で約50%まで増加している。その理由のひとつに、習い事で多忙なので、保護者の目の届かない時間帯の安全対策がある。主に子どもとの連絡手段や、居場所検索が出来るという利点の活用である。

▼一方、小学生の利用内容はゲーム、動画視聴、コミュニケーションである。ゲームは71%、コミュニケーションは44%であり、連絡&コミュニケーションツールとして「LINE」を当たり前に使っているという調査の結果である。スマホを持たないと交友関係に多少なりとも影響があるということは子どもが親を説得する理由である。

▼教材「メデイアと大切な人と深くつながるために」(鴻上尚史・光村図書4年)で「最近はインターネットが発達して人と人とが直接話さなくても、時間を過ごせるようになりました。大人たちは、メールやゲームをしたし、ウェブサイトをみたりする時間が増えて、どんどん人間と直接のコミュニケーションが苦手になっています」という文章がある。LINE好きの子どもが増えているという実態は、子ども世界も例外でないという時代が来ているような気がする。新しさと共に、確かで豊かな言葉の力を育てることが大切である。 (吉永幸司)