「過程モデル」を示す
岡 嶋 大 輔

 「三年とうげ」(光村3年下)を扱い、組み立てをとらえて民話を紹介する学習。単元の終わりに「民話紹介カード」を完成させる出口を設定した。
 「民話紹介カード」は、@民話の題名、A心に残った言葉、B紹介文、C○○と思ったところ、D設定、の5つを書くようにした。
 単元の導入では、以前に読み聞かせをした「かさこじぞう」を例に「民話紹介カード」の「完成モデル」を示した。
 その後の学習でも「かさこじぞうの紹介カード」を度々登場させ、「では、『三年とうげ』では、どう書けるだろうか」といったようにポイントを絞り、みんなで考えを交流しながら各々の「三年とうげの紹介カード」を作っていった。
 「B紹介文」では、お話の始めと終わりで変わったのはだれか、その人物は、「何によって」、どう変わったのかということを考え合った。そして、その「何によって」の部分を抜いて問いかける紹介文に書き換えるようにした。
 「おじいさんは、三年とうげで転んで病気になってしまいました。しかし、おしまいにはおどろきの方法で病気がなおってしまいます。どうして病気がなおったのか、知りたい人は、ぜひこのお話を読んでみてください。」など、話の大切な部分に着目した紹介文を書く子が多かった。

 単元の後半、「かさこじぞうの紹介カード」、各々で書いた「三年とうげの紹介カード」、その時のワークシート等を参考にしながら、各々が選んで読んだ民話の紹介カードを書いていった。以下は児童の書いたカードである。

【題名】
 サヤエンドウじいさん(ポーランドの民話)
【心に残った言葉】
 「もちを食べたと、正直に言うかね?」
【紹介文】
 イェジーじいさんはほらをふくくせがありました。しかし、あることで二度とほらをふかなくなりました。なぜほらをふかなくなったのでしょう。それは、このお話を読んでのお楽しみ。
【やさしいなと思ったところ】
 何度もイェジーじいさんがほらをふいても、サヤエンドウじいさんがたすけてあげるところ。
【設定】
・イェジーじいさん・・・いいおじいさんだけど、ほらをふくくせがあった。
・サヤエンドウじいさん・・・まほう使いで、何でもおねがいを聞いてくれる。

 今回、「完成モデル」を示すだけでなく、それを作るまでの「過程モデル」を示すことを意識して授業づくりをした。今回でいうと、「かさこじぞう」をどういう視点で読み、それをどう「紹介カード」に表していったかを示すことである。その上で「三年とうげ」ではどうなのかと意見を交わすことによって、各々が自力で紹介カードを書いていくことに少しはつながった、と感じている。
(野洲市立北野小)