▼緊急事態宣言による一斉休校下で始まった令和二年度も後半を迎える。このことについて上床美嗣氏(東京家政大・武蔵野大講師)が「逆転」(vol.61No21)に「改めて学校・学級の役割を考えた」において次のように書いておられる。

▼「学校・学級の役割」@時程に沿った学習や生活は、「規則正しい生活をする自律を学ぶ場」である。A何でもやってくれる家族はいないので、「自分のことは自分でやる自立を学ぶ場」である。B仕事が忙しい大人や電気化が進んだ家庭に代わって「基本的生活習慣を学ぶ場」である。C相対的貧困といういうことが問題になる時代にあって、「望ましい食習慣の在り方を学びながら、最低限一食は確保されている場」以下、「異年齢の付き合い方を学ぶ場・我慢することを学ぶ場・子ども達の居場所・自分の個に気付く場」等、10項目を挙げておられる。これらの全て、納得できることばかり。

▼「異年齢の付き合い方を学ぶ」においては学校行事において全校児童が集まって校長先生の話を聞くことや児童集会がほとんどないまま、半年以上が過ぎる。このことが小学校1年生が「学校」を知るという体験と無関係ではない。6年生もまた、高学年としての自覚の希薄さに繋がらないのだろうか。

▼地道な当たり前の日々の尊さを改めて考えている。 (吉永幸司)