お手紙を書くことで読みを振り返るーわたしはおねえさん(光村図書2年)
蜂 屋 正 雄

 2学期の物語教材である。「自分とくらべてかんそうを書こう」という学習課題が提示されている。弟や妹がいる児童はもちろん、そうでない児童にもその気持ちを想像させる力を持った文学作品であると感じている。今回は「すみれちゃんのお姉さんらしいところを見つけよう」ということを学習課題として共有し、おねえさんらしさを見つけるごとに「すみれちゃんにお手紙を書こう。」と呼び かけ、児童自身の読みの変化を表現させるとともに、発見を振り返れるようにと学習を計画した。
 まずは初発の感想を書かせ、どんなことが児童の心に残ったのか、どんな疑問を持ったのかを探り、子どもの疑問や考えの中から学習課題を見つけようとした。

【初発の感想】
 一番多かったのが、「歌が作れるのがすごい!」それは子どもたちにとって未知の世界であるのだろう。次に多かったのが、実際にお兄さんやお姉さんである児童の「妹のお世話は大変」という意見。また、疑問で出てきたのは「どうして、『あはは』とわらったのか。」「どうして、ノートのぐちゃぐちゃの絵を消さなかったのか。」というもの。今回の教材の本質に迫る疑問であり、この疑問を探ることを学習の柱にできそうだと考えた。

【場面分け】
 次に、物語文について、これまでのように、登場人物がいること。「はじめ」の場面ではその中でも主人公のことについて教えてくれていること。などを確認し、このお話を場面で分けていくこととした。分け方は、時間と主人公の気持ち。まずは、時間で分けるように指示すると、十月の日曜日の朝のことが書かれた段落とそれまでの段落、そして、コスモスに水やりをするまでの段落と「ちょっとしたこと」が起きている段落で三つに分けることができた。その後、三つ目の場面をすみれちゃんの気持ちの変化に沿って、三つの場面に分け、合計五つの場面に分けることができた。また、場面分けをすることで、すみれちゃんの気持ちが変化していることに気が付いた。その後、どうして気持ちが変化したのかを学習の中で探りあった。

【すみれちゃんへのお手紙】
 すみれちゃんのおねえさんらしさを探しながら、1の場面に書かれていた理想のおねえさん像を見つけた後、2の場面のえらいおねえさんになろうとしているのを見つけた後、4の場面の半分なきそうで半分おこりそうだった気持ちとその理由を考えた後、5の場面の消すのをやめた理由を考えたところですみれちゃんにお手紙を書いた。お手紙というのが2年生の児童にはうれしくて、書きやすい様子であり、基本的には「その気持ちわかるよ。」というお手紙となり、学習の振り合えりとしても自然な形で書き表せた。
 課題としては、お手紙にいつまでも歌のことを書き、妹はかわいいですか、というような本文には書かれていない質問を書く児童がおり、うまく指導ができなかったのが反省である。これからも、本文を根拠に登場人物の気持ちを想像していく学習を自然な形で進めていきたい。
(草津市立矢倉小)