消防隊員さんへの手紙
岡 嶋 大 輔

 今年度から、消防署の見学は3年生が行っている。
 1時間の見学であったが、消防署の様子についてのプレゼン、隊員と担任との消防服の速着替え競争、各消防車の見学、隊員への質問等々、盛りだくさんの内容で、消防署の方々が楽しく分かりやすく教えてくださった。子ども達は短い間にすっかり隊員の方々と仲良くなり、帰りは別れを惜しんでバスに乗り込んでいた。

 教室に戻り、お礼の手紙を書こうと投げかけた。手紙の書き方は、別の機会に既習済みであることもあってか、そう抵抗はなく、みんなは「うんうん」「書きたい」と勢い付いていた。
 まずは「はじめのあいさつ」。「季節感のある言葉」を考えて出し合った。『登校の時に息をはくと白くなる時があります。』等と、子どもらしいものがたくさん出された。また、「相手の様子をたずねる言葉」「自分の様子を伝える言葉」を順に確認した。
 そして「結びのあいさつ」と「後づけ」も確認した後、「本文」として「心に残ったこと」「勉強になったこと」等を少し詳しく書いていくようにした。
 以下は、ある子の手紙。


 だんだんと寒くなっている今日このごろですが、お元気でいらっしゃいますか。わたしたちは、毎日元気いっぱいにすごしています。
 この間は、消防しょを見学させていただきありがとうございました。
 わたしは、「だれかの役に立ちたいから消防士になった。」と いう言葉が心にひびきました。だれかの役に立つということは、とてもすごいことだからです。わたしは、かんご士になりたいというしょう来のゆめを持っています。だからその言葉が心にひびきました。
 わたしは消防しょに行って、どれだけ火事がおそろしいかを知りました。わたしは、消防たい員の人たちを見て、どんなことがあっても前向きにがんばって、毎日学校や休みの日にむずかしくても前向きにがんばって、毎日を過ごしていきたいなと思います。
 消防たい員の方は、何があっても前向きにゆう気を持って消防士をやっていらっしゃるので、とても、とても消防たい員さんたちみたいな大人になれるといいなと思いました。いつでもえ顔で、いやなことがあってもいやな顔をせず明るい顔の消防たい員さんのことを、わたしは、いつでもおうえんしています。
 今回、たくさんのことを教えていただきました。自分たちのことを守ってくださるたくさんの方々に感しゃしながら毎日を大切にしてすごしたいと思います。ありがとうございました。(後付け略)

 この手紙を書いたYさんは、臨時休校後1ヶ月ほど学校に入りづらい時期があった。今はそんなことがなかったかのように笑顔で毎日を過ごしている。そんな中、今回、隊員の生き方に触れ、感化され、自分を見つめ直し、これからの生き方につなげて手紙を書いていた。人と人との出会いの大切さを感じるとともに、その相手に手紙を書くことのよさを感じた。
(野洲市立北野小)