説明文とリーフレット作成
川 端 由 起

 10月下旬から「世界にほこる和紙」の単元に入った。この単元は、「伝統工芸の良さを伝えよう」の書くこととセットであり、書くことでは、リーフレット作りが設定されている。この教材の単元を貫く言語活動は、1次は、読むための目的づくりで、相手は、クラスの人達。目的は、クラスの人に、調べた伝統工芸の良さをリーフレットにして紹介しようにした。2次は、目的に応じた教材文の読みで、ここでは、リーフレット作りのために、「世界にほこる和紙」を読み、その論理構成や書き方を学び、自分のリーフレット作成のために生かそうということになる。そして3次は、自分の言語活動の振り返りとなり、リーフレットを作成し、仕上げ、クラスの皆と読み合い、仲間同士でお互いのリーフレットの良さを認め合う、という活動になる。

 ただし、4年生では、説明文を目的や必要に応じて要約しながら読めるようにするという目的がある。「世界にほこる和紙」の論理構成や筆者の言いたいことを大体おさえると、学習は要約へと移っていった。この要約に関して言うと、児童は「アップとルーズ」からこの作品で3作目になるので、要領は得ており、スムーズに学習を終えられた。問題なのは、3次のリーフレット作成であった。まず、伝統工芸を探す作業から入るが、伝統工芸が記載されている本が少なく全員が本で探すことができない。ここで草津市の小学校の良い所は、10月から児童全員にタブレットが配布されたことである。タブレットで「伝統工芸」と検索すれば、日本全国あらゆる伝統工芸が見られ、これで児童はリーフレットを簡単に書くことができるなと胸をなでおろした。

 しかし、喜びも束の間、リーフレット作成の下書き文書を見ると、ネットの文章をそのまま書き写したものばかりが多かったのである。
 伝統工芸という題材が難しいのか、「世界にほこる和紙」の読みが不十分なのか、どちらもなのか。もしくは他に原因があるのか。
 そこで、私はワークシートを作成し、リーフレットに書くことは、歴史、特徴@、特徴A、自分の意見の4つを書くこととし、それぞれ枠を作り、児童に書かせたのである。そうすると、児童はすらすら書きだした。文章を見える形にしていないから児童が書けなかったのである。
 要約をするときに、文章を初め、中、終わりに分けて意味段落の要点をまとめて要約とすることが多い。リーフレット作りは、その反対の作業が必要で、文章にすることを枠を作ることで、映し出していく。そのことを今回の単元で知り得ることができた。今後更なる実践を積み重ねていきたい。
(草津市志津小)