▼3年の理科「風やゴムのはたらき」の目標は、「風やゴムの働きについて興味・関心をもって追究する活動を通して、風やゴムの力を働かせたときの現象の違いを比較する能力を育てる」である。参観をした授業は、風で走る車「ウィンドカー」やゴムで走る「ゴムダッシュカー」や「プロペラカー」を作って学習をするという時間。

▼子ども達の手元には、理科実験教材とした小さな箱が配布されていた。先生が、使い方や注意事項を説明しようとすると、「先生、ぼくらで考えさせてください」と注文をする子がいた。先生は、その子を指名した。その子は、箱の表と裏、横を見ながら、これから作る車を先生に確かめ、箱の中のものを出したいという気持ち伝えた。

▼その授業は、子ども達の車を作りたいという気持ちを大事にしながら、先ず、一人で、説明書を読む、次に、作り方を確認する、その後、説明書の順番に組み立てるという手順で学習活動が進んでいった。説明の文章を読み返したり、できている子に質問をして、実験をするところまで子どもの力で進んでいった。

▼車を作ることが目的であったが、図を理解し説明の文章を正しく読むことの学習の力が発揮できた時間だった。説明を聞いて作るという手堅い方法もあるが、説明書の活用がこの時代の子にあっているように思えた。 (吉永幸司)