新しい学級で
北 島 雅 晴

 退職後、いくつかの学校で臨時講師として勤めてきました。九月中旬より新しい学校で、二年生の担任をすることになりました。勤務が始まる前の週に、子どもたちの様子を参観させていただきました。感染症対策下、どのように学習を進めているのか知りたかったからです。

 マスクで顔の半分が隠れてしまう中でも、落ち着いて学習を進めていたので安心しました。自分自身が思い描いていたことと違う様子がいくつかありました。
@教室の前に出て発言する子の声が意外とよく聞こえること。
 マスクをしていると声が聞き取りにくいと思っていましたが、そうでもなさそうです。これならば、 独話(スピーチ)も可能だと感じました。
A子どもと話をする時に、やや心的距離を感じること。
 「先生、もう一度名前を教えてください。」「ぼくのお母さんも学校で働いているんやで。」等、いろいろと話しかけてくれるのですが、何となく表情が読み取りにくいためか、思いが伝わりにくいこともあるのではないかと感じました。
B一つひとつの動作が若干ゆったりすること。
 マスクをして行動するのが原因なのか、大声を出したり、走り回ったりすることが少なくなるようです。感染症対策を行いながらも二年生らしい元気さを出すための工夫が必要だと思いました。

 五月末からこの学級で積み上げられてきたことを大切にしながらも、子どもたちをどのように育てていったらよいのか、少しずつ見通しを立てていきたいと思います。
 出来ないことを嘆くのではなく、今だからこそできることを充実させていきたいです。
@本を読むことに目を向けさせること。
 自宅にある(絵)本の中から、二年生に読んで聞かせたいものをいくつか選びました。教室の前に子どもたちを集めて読むことは避けたいので、一番後ろの子にも見えるように絵が大きくてはっきりとした絵本にしました。マスクをしながら絵本を読んだことがないので、読み語りの練習もしました。それから、毎週図書室に行って本を借りる場を設けようと考えています。軌道に乗ったら、お勧めの 本を紹介する学習もしたい、親子読書を保護者にお願いできないだろうか等、やりたいことがどんどんふくらんできます。
A書くことを中心に学習を進めること。
 国語科では、書く活動を中心とした学習にしたいとぼんやりと考えています。物語ならば、お話の大体(あらすじ)や読んだ感想がきちんと書いてある学習帳をどの子もが完成できるような力をつけたいです。
B書くこと(作文)の学習から始めること。
 まだ思いつきの段階ですが、「わたしのすきな○○」という題材で、書く学習を設定したいと思っています。○○のところには、人・こと・もの等が入ります。自分の身近なすきな○○集めやその交流を 行いながら、作文を書くという学習です。一人ひとりの子がどんなことに関心をもっているのか、子どものことを知るきっかけにもなるだろうという教師の意図もあります。

 今までは、毎日歌をうたってきましたが、はたしてできるのだろうか。日記もどんどん書かせたいのだが。いろいろやりたいことがあるのですが、子どもの様子を見ながら、無理なく進めていきたいと思っているところです。
(栗東市立大宝小)