詩ってすごいな
北 川 雅 士

 8月21日、例年よりも少し早く夏休みが終わり、子ども達が教室に帰ってきた。2学期の国語科の学習は、まど・みちおさんの「せんねんまんねん」の詩を読みながら詩を味わう学習からスタートした。

 まず、導入で「せんねんまんねん」を声を出さずに読み、ノートに視写した。視写できた児童から自分の書いた「せんねんまんねん」を読み、自分で工夫されていると感じた部分に赤で線を引いた。同時に、詩の中で疑問に感じた部分や、不思議に感じた部分に波線を引くように指示した。

 しばらく時間をとったあと、ペアでの交流の時間をとった。この時間の目的は、赤線を引いた部分の共有と、波線についての課題解決、ペアで話し合いながら波線を引いたところを話し合った。その中で、ペアだけでは解決できないことがいくつか出てきたため、全体で話し合うこととなった。まず、赤線を引いた場所を黒板に視写した詩に書き込んでいき、どのような工夫があったのかを話し合った。そのあとで、波線を引いた部分をみんなで話し合った。一人目の児童が「せんねんまんねんという題名がまずわからない」ということを発言したので、みんなで題名から考え始めた。 「漢字で書いたらどうなる?」 「千年万年」
「何が千年万年なんやろ」
「ヤシの木が育つのに千年」 「水がのぼるまで」 「ワニが川にのまれるまで」 「万年は一万年」
「長い時間…あっ長い短いの長いや」 「じゃあ短いは何が短いんやろ」
などと、どんどん話が広がった。
 そのなかで、「くりかえすことが数千年から数万年続いている」という意見と赤線を引きながら工夫 として取り上げた「くりかえす」という話題がつながった。また、この詩の中で表現される「くりかえす」ということが単なる詩の工夫だけではないということにも児童は驚いていた。

 次の時間には、自分たちも詩を書いてみたのだが、「言葉を選ぶ」「表現を工夫する」ということの 難しさを改めて感じていたようだった。この学習をきっかけに詩を読む際に言葉にこめられているものに興味をもつようになれたらいいなと思う。
(彦根市立城南小)