作 文 指 導
箕 浦 健 司

 子どもたちは昨年度まで、主に朝の時間に百マス作文に取り組んできた。今年度も、学校として二学期から、朝の時間に取り組むことになっている。
 これまで子どもたちが力を把握することと、学びを継続することを目的として、一学期にも数回、取り組んだ。最初のテーマは、「六年生でがんばりたいこと」。六月の学校再開後に取り組んだ。以下、ある児童の作品の一部。

「『もう最高学年だ』という自覚をもって、一年生から五年生の見本になりたいです。・・・」

 今年度、本校の六年生は、学年目標を「〜一歩前へ〜自覚・努力・友情」としてスタートを切った。「自覚・努力・友情」のそれぞれについて、一人ひとりがめあてを立てている。この児童は、最高学年としての「自覚」を日々強く意識しながら生活しているということが作文から分かる。紹介し、そのことを褒めた。

 二回目のテーマは、「夏といえば○○○」。このときは、文章の書き出しに工夫が見られた。

「『ザァー、ザァー』『ピチャ、ピチャ』わたしは夏だと思います。」
「『ジュー』なにやらいいにおい。ぼくはバーベキューだと思います。」
「『ミーンミンミンミン』。わたしはセミの鳴き声だと思います。」
 このとき、私がしたのはテーマの提示のみ。「『 』から始めましょう。」などという具体的な工夫の指導は一切していない。しかし、子どもたちはこれまでの学習で身につけた力を発揮して、作文を書いた。学んだことをきちんと使っていること、工夫の良い例として、全体に紹介した。なにより、「書くこと」に抵抗のある子どもも、百マス作文には抵抗なく取りかかることができている。積み重ねの大切さを実感した。
 全員の作文は、教室後方に掲示し、互いの作品を見合えるようにしている。そうすることで、自分と友だちの書きぶりを比べたり、良い表現を取り入れようとしたりする姿が期待できる。互いの良さを認め合いながら、書く力が高まっていくようにしていきたい。

 学期末。「一学期を振り返って」のテーマで、作文を書いた。終業式に発表する学年代表は、Sさん。Sさんは、学年目標の三つの視点で一学期を振り返っていた。終業式は放送で実施したので、代表者は放送室で発表。Sさんの発表が終わると、教室で割れんばかりの拍手が起こった。放送室からSさんが教室に戻ってきたときも、自然に拍手が起きた。ねぎらいの言葉を掛ける子もいた。拍手の意味は、発表したことのねぎらい、友達のがんばりに対して、といった意味が大きかったのであろうが、中には作文の内容について拍手した児童もいたのではないだろうか。今後、そんな拍手が増えるような学級を目指していきたい。
(長浜市立南郷里小)