情報と情報をつなぐことば
北 川 雅 士

 今年度から国語科の教科書に「情報」について学ぶページが新設された。内容は「話す・聞く」「書く」「読む」の単元に共通して活用できる思考や伝達の方法になっており、直近の単元の言語活動に活用できるように設定されている。「私たちにできること」(光村図書6年創造)の学習の前に、「情報をつなげて伝えるとき」を学習した。この単元では、書く活動の際に、自分が調べた情報をわかりやすく伝えるために、情報をどのように整理するのかを学んだ。

 導入では、これまでの学習を振り返り、情報の関係や、その伝え方についてどのような言葉を使ってきたかを確認した。教科書に例示されているのは以下の3つ。
・Åとその具体例の関係(具体化)
 「例えば〇〇」「〇〇には〇〇がある。」
・Åとその説明(定義)の関係(定義づけ)
 「〇〇とは、〇〇のことだ。」
・複数のものと、その共通点 (Å)という関係(抽象と具体)
 「このように〇〇」「ここから考えられるのは〇〇」など

 この3つの文例を使いながら、教科書の資料を整理して書きまとめていった。教科書にはブラジルで積極的に行われている「アグロフォレストリー」という農法について集められた情報が記載されており、

 ブラジルは、農業がさかんな国で、アグロフォレストリーという農法が積極的に行われている。この農法では、いろいろな樹木や作物を育てている。
 この文章に続いて、「例えば〇〇」「〇〇とは、〇〇のことだ。」の文例を使いながら必要な情報を書き足していった。この学習は児童にとってはとても難しい課題だったようで、ふりかえりを読んでいると「決まった文の形を使ってまとめるのは難しい」「必要な情報だけを選ぶのが難しい」という振り返りが多く見られた。

 これまでの書く活動の指導では、文章構成などに重点は置いたものの、このような情報と情報をつなぐ言葉に注目した指導は意識的にできていなかったように思う。また、作文の中で話し言葉が多いのも課題だと感じている。教科書の情報のページを活用しながら、主体的に学ぶための思考ツールを蓄積していくことが児童が書いて表現する活動に必要不可欠だと感じた。情報の学習で学んだことを教室で掲示し、今後の学習の中で使えるように指導を重ねていきたい。
(彦根市立城南小)