令和2年度 校内研究に関わって
川 端 由 起

 今年度の我が校の校内研究は、「各教科における見方・考え方を明確にして、学びを深めよう」である。私は、来年の1月に4年生の国語科の授業を担当することになった。そして、見方・考え方について再度考えてみた。

 授業は、大きく2つの要素で成り立っている。1つ目は、追及したい学習課題と、2つ目は、学習課題の追及を支えるための方法である。さらに方法を2つに分けると、「どこに目を付けてどのように考えるか」という考える方法と、「どのように活動を展開していくか」といった活動の方法に分かれる。「見方・考え方」は、この方法のうち、「どこに目を付けて、どのように考えるか」に当たるもので、課題を追及するための「目の付けどころと思考法」であると思った。つまり、見方は、物事をとらえる視点であり、考え方は思考の方法であると考えた。

 研究授業の趣旨として、「授業を行うことで、児童にどんな力が身についたのかを示すこと」とあった。何の単元の学習を行えば、それが示せるのか当初見当がつかなかった。ただ、説明文であれば、4年生の教科書は比較的にスパイラル的に学んでいく年間計画になっているので、説明文の単元で1年間を通して、学んだ見方・考え方を次の学習で使っていくことを研究テーマにしたいと考えた。4年生の3つの説明文で主に力をつけさせたいことを考えてみた。

〇「思いやりのデザイン・アップとルーズ」
 対比的な段落関係をつかみ、それを含んだ文章全体の構成を捉える中で、筆者の文章の工夫である対比的に説明することのよさを気づかせる。「考えと例」を活用し、考えとそれを支える事例の関係を読み取ることの意味を確認する。

〇「世界にほこる和紙・伝統工芸のよさを伝えよう」
 中心となる語や文を捉えて要約するという、説明文での学習で身に付け、得た力をいかし、伝統工芸に関して本などで調べたことをまとめてリーフレットを作る学習を行う。単元の学習全体を通して、文章を書く際の述べ方の工夫や要約の仕方などについても学ぶ。

〇「ウナギのなぞを追って」(研究授業)
 児童一人一人が、自分が興味をもったところを中心に読み、文章全体を要約し、それを生かして教材文を紹介する文章を書く。個々の文章に対する感じ方の違いやよさを考える。

 以上、年間を通じて、一度学習した考えを次の学習で使い、新たに別の考え方を学んでいくといった段階的な学習を行うことにより、児童に力をつけていきたい。
(草津市立志津小)