緊急・学校大改修とコロナ
伊 庭 郁 夫

 私の母校(高島市立新旭北小学校)の学校運営協議会委員3年目を迎える。本年度の2回目は、緊急で会議が開かれた。新型コロナウイルスへの対応に加えて小学校の大改修が行われるためである。
 学習参観では、子どもたちのいきいきとした様子が見られた。運動場からは、休み時間の歓声が聞こえる。教室は、基本1メールの距離を保って机が配置されている。手洗い場は1つ置きに水道が利用できる。トイレでは、足元に印があり、距離を保って順番を待つ。子どもたちが帰った後は、地元高島晒を使って、ドアノブや手すりなど消毒されるそうである。
 水泳は、中止。気になる音楽はハミング等で対応されているそうである。社会科等の見学は視聴覚教材で対応するとのこと。
 運動会は午前中のみで実施。修学旅行は、今のところ予定通り実施の方向で進めているそうである。

 臨時休校中の対応で目をひいたのが、「分散登校」と「オンラインミーティング」である。
 「分散登校」には2つのパターンがあり、1つは地区ごとに登校日を設定することで、交通安全への対応と教室が密にならないことに対応できる。もうひとつは、曜日による学年登校である。学年や学級のまとまりが生まれる。
 「オンラインミーティング」については、事前にパソコンやタブレット等のアンケートを行い、「ズーム」による学習保障をするものである。大きなメリットとして、「先生が自分に話しかけているように感じ楽しかった」「友達と2人で見て、良かった」等の声があったそうである。
 学校側では、「授業をする先生」「パソコンを扱う先生」「スクリーンショットを使い、だれが見ているのか出欠を確認する先生」等役割分担がされたそうである。回数を重ねるごとにオンラインミーティングに参加する子どもが増え、最終的には各学級1〜2名程度の子どもが使えなかったそうである。一部の「ズーム」が使えない子どもには、電話対応をされたとのことであった。
 これらは、「校舎大改修」を見据え、他校に比べて学習内容に遅れが生じないようにするための方策であり、先生方の熱意を感じた。

 そして、学校大改修工事への対応について、協議した。夏季休業中の授業が実施予定されている。問題は、大改修で教室が使えないことへの対応である。
 7月の補充授業は、中学校の校舎をお借りする。特別教室等11教室である。特に1・2年生は、中学生用の机や椅子では集中できにくので、自分の机や椅子を運ぶという。夏季の保護者による環境整備作業に加え、「希望(のぞみ)の会」というボランティアサークルがあり、地域をあげての協力体制で対応にあたる。
 通学路を変更したり大型バスの利用や学童保育への対応をしたりするなど配慮することが多い。また、中学校と時間設定が異なるため、休み時間の移動が制限され、子どもたちのストレス対応にも気を配る。給食準備から返却までのプロセス等、実際にはその場での適切な対応が求められる。
 更に、8月には中学校に加え4年生と5年生は、公民館を使う。公民館には、机椅子が常備されておらず、学びの場所作りから始まる。
 また、臨時休業分の授業回復策として、運動会や卒業式を含む数回の土曜授業の実施や放課後授業の実施等様々な取り組みがある。放課後授業は、何月がいいのかその回数はどうかなど細部にわたる協議があった。

 前代未聞の状況である。学校・地域の一体感が求められる。楽しそうな給食風景を見ながら学校を後にした。
(社会福祉法人虹の会 支援員)