板書計画について考える
西 條 陽 之

 緊急事態宣言を受けて、休校措置が続いている。子どもたちのいない学校で私たちができることは何か。教室に戻ってきた子どもたちに、会えなかった分、うんと楽しく、うんと深い学びを与える準備を進めることも今できることの一つだと考える。この機会を利用して、指導の年間計画を立てた。再開した時に、進度を調整するためにも、この1年間の指導で押さえておくべきことを自分なりに焦点化している。

 教師としての技量を高めておく好機と捉えることもできるだろう。本校の校内研究では授業と子どもたちとの学びをコーディネートすることが柱の一つとなった。子どもたちのやる気、好奇心、探究心、実感を引き出す手立てを1年を通して研究していく。今回は板書計画について考える。私にとって毎時間の学習指導案を作成することは難しいが、板書計画を書くことで45分間の授業構想を練るようにしている。気をつけていることとして、
◆子どもと同じノートを使う(あるいはノートのデータ)。
◆文の量を調整したり、改行の位置を確かめたりすることで見やすいノートづくりにもつながる。
◆予想される子どもたちの意見も書く。どんな反応をするのか、どんな言葉で表現するのかは目の前の子どもや集団によって大きく変わる。どれだけ実態を掴んで具現化させていくかが大切である。
◆めあてとふり返り(まとめ)。子どもの中から出てきた疑問や興味をめあてにしようと試みているが、なかなか難しいので、付けたい力を一つに絞って提示することが多い。ふり返りは自分の言葉で書くようにしているが、今年は終末に学んだことの合意形成をしたいと考えている。

 板書計画は言うならば授業の未来予想図である。教材の核となる部分や子どもたちの実態が見えていないとあやふやなものとなり、本番で右往左往することとなる。実際に何度も右往左往している。そんなこれまでの反省も踏まえながら、学校が再開したときには、これまでよりももっとワクワクできるような授業を作ってやるんだ!と企てて虎視眈々と教科書を睨んでいる。
(大津市立小野小)