400年でうるう年は何回?
岡 嶋 大 輔

 6年生のAさん。臨時休業中の学校預かりに来ている。朝から午後3時ぐらいまでの長い時間だが、家から持ってきた学習課題に静かに取り組んでいる。
 ある日、そのAさんの様子をそっと伺っていたところ、ある算数の文章問題を前にじっと考え込んでいる。結構長い時間が過ぎた頃、
「先生、よく分からないので教えてください。」
とその問題を見せにきた。考える問題を解くのは好きだが、6年生の問題は難しいので4年生の問題を解いているという。その問題は次の通り。

「2020年」のように、いつも使っている年のことを「西暦」といいます。西暦の数が次の数でわりきれるかどうかで「うるう年」がわかります。
@ うるう年は、西暦の数が4でわりきれる年です。
A ただし、@の中で、西暦の数が100でわりきれるが、400でわりきれない年はうるう年としません。
 西暦1年からの400年間でうるう年は、何回あるでしょう。


 なるほど、一読ではそう単純に「答えまでの道筋」をイメージできるような内容ではなさそうである。
 まずは、順にそれぞれの言葉や文の意味について確認をしていった。
「4でわりきれる数をどんどん書き出してみよう。400までで何個あるかな。」
「100でわりきれるが400でわりきれない数を書き出してみよう。」
 それぞれの言葉や文を具体的な数字にして書き出すことによって少しずつ「答えへの道筋」が見えてきたようある。
 しかし、ここからが頭の中だけでは整理が難しいところであろう。当てはまる数字を「集め」、そこから例外を「除く」という作業が二重になっている。つまり、100でわりきれる数から400でわりきれる数を除き、それらを4でわりきれる数から除いていく、という二段階の道筋である。  Aさんは、私と一緒に書き出したメモをもとに、問題文を何度も読み返しながら、何を「集める」のか、何をどこから「除く」のかが分かり、答えを導き出すことができた。

 文章全体を眺めているだけでは分からないようなことも、分かることをどんどん「書き出し」、何度も文章に立ち返りながら書き出したことを「整理」していくことで「分かってくる」ことがあると2人の中で確認できた。
 今後は、「どの言葉に着目し」それについて「どう書き出し」「どう整理していくか」、様々な問題に出合う中で自分が最適だと思う方法を見つけていけるといいねと付け加えた。
(野洲市立北野小)