説明文の論理の学習の方法
川 端 由 起

 昨年度は、3学期から担任になり、2月に「ありの行列」を行った。

 この単元は、何回も授業を行っていた。今までは、問いと答えを探し、「はじめ」「中」「おわり」を児童と見つけることを中心に授業を展開していった。初発の読みから始まり、形式段落に番号をふるまでは、児童は、目を輝かせながら、授業に参加しているのだが、「はじめ」「中」「おわり」を探す段階になると、児童の目が曇ってきて、活気がなくなってくるのである。「問い」をまず探すのであるが、その問いも中々見つけられない児童も多くいた。そこで、私は、2年生の「おにごっこ」を元に、再度「はじめ」「中」「おわり」がどのような性格を持つものか児童と確かめあった。すぐに理解できる児童もいたが、多くの児童は、「そういうことだったのか」と既習事項を再び学習することで、頭の中を整理出来たようだった。再び本文に戻り、「はじめ」は筆者の言いたいこと、話題、疑問であること。「中」は、くわしい説明であること。「終わり」は、まとめ、筆者の考えであると説明した。そこまでやって初めて、ありの行列の説明文を「はじめ」「中」「おわり」に分けさせた。最初は、各自で取り組ませた。次にグループに分け、各自が考えた意見をグループでの話し合わせた。そして、各グループの意見を代表者に板書させ、7つのグループの意見の可視化を図った。

 グループ別の代表者に、どうしてその考えになったのか順番に発表させ、他のグループには、他のグループの意見をよく聞き、自分たちとどこが違うのか聞くように指示した。発表が終わった後、話し合いに入ったが、皆自分の意見をグループで一度話し合い、イメージしやすくなっているので、いつもより活発に話し合いが行われた。  授業後、児童からは、「今日の国語楽しかった」「もっとやりたい」という声がいくつか聞けた。

 説明文を学習する時の大切なことは、説明文の論理展開を知ることである。それをわかっていたが、児童にどのような仕掛けをし、どのようにして気づかせるかがわからなかった。今までの私は、各自に問いをもたせ、理解できている児童に発表してもらい、理解している児童だけが理解出来る授業になっていたのではないかと思う。

 説明文の論理展開を視覚化し、誰もがわかりやすいようにする。そして、特定児童だけが参加するのではなく、全員が参加し、充実感を味わえる授業をすることで、説明文を苦手とする児童を減らせるのではないか。また、説明文の学習に意欲的に取り組む児童が増えるのではないかと考える。

 この後、ありの行列で学んだ「はじめ」「中」「終わり」の構成と、問いに対する答えを本文で展開することを生かして、「科学読み物を紹介しよう」に取り組む予定であったが、コロナの関係で出来なくなった。残念である。新天地に移ったので、学校再開になれば様々な実践を行っていきたい。
(草津市立志津小)