学級経営で大切にしたこと
川 端 由 紀

 3学期から3年生の担任を急遽任され、1月から再び毎日教壇に立つことになりました。毎日児童と触れ合える喜びと共に、3学期という時期からの担任交代だったので、クラスを上手く立て直すことが果たしてできるのかずっと、不安でした。
 私が学級を作る上で大切にしようと思ったことは、2つありました。

 1つ目が、話を聞く子どもを育てることです。当初授業の初めの挨拶の時も姿勢が崩れている児童が多かったので、そこから指導をしました。そして、私が話をしても、友達とずっと話している児童も何 人かいたので、「先生は今何言った?」と唐突に質問をして、話を聞かなければ絶対に困るという状態を作っていきました。こうして1月当初、話す時私語が多かったクラスが、3月には、「話します」と一言言うと、一斉に私の方を向いて話を聞く姿勢を取るようになりました。また、並行して行ったのは、授業中、児童の発言を教師が繰り返さないという事です。児童の声が小さく、聞こえにくい場合、以前は「〇〇ということだよね?」と繰り返し発言し、全体が理解できるように仕向けていたのですが、そうすると誰も発言している児童の方を向かないし、一生懸命聞こうとしません。発言する人は、みんなに聞こえるように、聞く人は、発言している人の方を見て全力で聞く。そうやって聞く力を身に着けてつけていきました。

 2つ目は、掃除や当番の仕事など当たり前のことが出来る人をほめるということです。1月当初は、 叱る事も多く、何となく児童も不安な顔つきの子が多かったのを覚えています。新学期から3日たった頃から当たり前の事を当たり前にできている児童を褒めようと思い直し、毎日褒めることを徹底しました。そうすると、体育の準備や、図工の版画の準備など、教師が何も言わなくても児童の方から「準備を手伝わせてほしい」と言ってくるようになったのです。また、これは、1・2学期にいわゆる問題児と言われていた児童に多く見られました。また、それ以外の児童も、目立たないけれども、図工の後片付けをやってくれていたり、牛乳パックを当番が畳むのを忘れていたら、代わりにやってあげたり、小さな努力があちこちで見られるようになりました。このような経過を経て、今までは多くあった生徒指導の問題もほとんどみられなくなりました。この2つの基本的な事を徹底することで、児童の心の中に「きちんとやれば認めてもらえる」「真面目に取り組む事はいいことだ」という思いが醸成されていったのではないかと思います。

 「ありがとう」「すごいね」この言葉を伝えるだけで、人は変われるのだと改めて気づきました。
 これからも言葉を大事に、教育を施していきたいです。
(大津市立石山小)