「授業を語る会」振り返り
弓 削 裕 之

 2月8日(土)、本校で行われた「授業を語る会」では、『スーホの白い馬』(光村二下)の授業を公開した。本時の流れは、(1) めあての設定。(2) 本文(学習場面)の一斉音読。(3) ペアで白馬の気持ちが想像できる言葉を見つける。(4) 見つけた言葉を発表する。(5) 板書をノートに写し、学習の振り返りを書く。めあての「にげ出した白馬の気もちをそうぞうする」は、前時までの学習の流れを踏まえた子どもの発言より設定した。

<子どもたちが見つけた言葉>
・風のように ・ふりはなす ・はね上がりました ・走りつづけました ・それでも ・とてもおいつけません ・おそろしいいきおいで ・ころげおちました
 これらの言葉から、子どもたちは「早くスーホのところに帰りたい」「スーホがすき」「スーホは大切にそだててくれた」「大すきなスーホをのせて走りたい」などの気持ちを想像した。「走りつづけました」の言葉では、「それでも、白馬は走りました」と「それでも、白馬は走りつづけました」の違いに注目させ、スーホを思う白馬の強い気持ちに迫ることができるようにした。

 これまでは、見つけた言葉を「言ったこと」「したこと」に分けて印をしていたが、前時に「 本当にその二つだけなのか」と子どもたちから疑問があがった。そこで、「したこと、とは何か違うなと思う言葉はありますか」と尋ねると、子どもたちは「風のように」「おそろしいいきおいで」の二つを捉え、「ようす」と名付けた。

 授業後の協議会では、学習規律を守り、言葉にこだわって考えていた子どもたちの姿を話題にしていただいた。「学びに向かう力をどう評価するか」「めあてに沿ったまとめのあり方をどうするか」「一つの言葉に対し、複数の子どもが想像した気持ちを発言する場面があればよかった」など、課題もたくさんいただいた。

<学習の振り返り>
●白馬は矢がささっていたいけれど、どうしてもさいごにスーホに会いたかったのだと思います。
●白馬は、スーホのところに行くのにとてもひっしだったんだなと思いました。
●白馬はスーホが大すきだから、むちゅうで、はやく走りつづけたんだと思いました。
●白馬の頭の中は大すきなスーホの気もちだと思います。
 授業中の発言では出てこなかった「どうしても」「ひっし」「むちゅう」などの言葉が綴られている。子どもたちは、想像した白馬の気持ちにふさわしい言葉を自分なりに選んでいる。まだまだ表には出ていない言葉があると思うと、実践の手を休めることはできない。
(京都女子大学附属小)