▼学習指導要領は「思考力・判断力・表現力」の指導事項を学習過程に沿って構成している。「書くこと」においては、内容を「題材の設定・情報の収集・内容の検討」「構成の検討」「考えの形成・記述」「推敲」「共有」という構成である。

▼「理由が分かるように書こう」(3年東書)は、身の回りにある記号や絵文字を題材にした、絵文字の説明をする文章を書くことを目的にしている。学習過程では「考えの形成・記述」である記述の仕方を工夫することが主な学習活動になる。教材は、身の回りにある絵文字や自分で考えた絵文字を示し、学習意欲を高めさせるように編集している。子供達の興味は絵文字に向き、続いて、文章に向くだろうということは今までの経験から理解できる。

▼「主体的・対話的」ということから、子供達の関心が「自分で考えた絵文字」に向いていくと、話し合いや絵文字の説明は活発な学習活動が予想できる。しかし、「自分の考えとそれを支える理由」を書くことにつなげるにはかなりの工夫が必要である。

▼教科書では、エレベーターを表す絵文字を説明する文例がある。導入段階で絵文字の興味から授業をすすめるより、いきなり文例を学習し、「分かりやすい文章」の秘密探しの方が主体的・対話的な学習につながるように思える。(吉永幸司)