第4回全国国語実践研究会大阪大会報告
西 條 陽 之

 「アップとルーズで伝える」「『クラブ活動リーフレット』を作ろう」(光村4年)の実践提案の機会をいただいた。

【本単元でつけたい力(書くこと)】
・対比的な説明の仕方を生かして考えを明確にし、写真と文章を対応させながら、段落相互の関係に注意して文章を書く力
【指導過程での具体的な工夫】
①書くことに対する苦手意識を解消するための工夫
 ・教師自作のリーフレットによるモデルの提示
 ・共通の教材でリーフレット作りの練習
②既習事項を生かした工夫
 ・「じどう車くらべ」や「すがたをかえる大豆」を用いた対比
③対比を生かした考え方の醸成の工夫
 ・関連図書の設置
 ・友達のアドバイスを生かした推敲

 教師自作のモデルを提示することで、学習活動の見通しを持ち対比の使い方や段落の構成、接続語などに意識を向けることができた。また、既習の教示を用いてリーフレット作りの練習を行うことで、書き方の認知、定着を図ることができた。そして、児童同士の読み聞かせ合いから、自他の気づきを生かした推敲を行う姿が見られた。児童にとって「対比」の考え方がを自分の技能として使いこなせる実感を引き出す機会となった。研究協議の中では、対比の視点がより明確である方が児童にとっても思考の一助になることや何のために対比をするのかという趣意をどれだけの子が理解していたのかについてご指摘をいただいた。本実践では対比的思考そのものに焦点を当てていたが、教材を用いる意義を見出し授業を展開すればより魅力が増したのではないかと振り返って思う。

 最後に、例会や研究協議において厳しく、真剣に、そして温かくご指導をいただいた先生方に御礼を申し上げたい。一つの教材について議論を重ねる時間を確保することが難しい昨今において、子どもファーストの持続可能な指導のためには、教師同士の対話が今後も重要であり、これからも学び合い、つながり合っていきたいと願う。
(大津市立小野小)