広がる読書 (その1)
北 島 雅 晴

◇夏休み、わたしは図書室でかりた本を読みませんでした。でも、「2の4の本」があって、読書がすきになって、冬休みも読む気になりました。わたしは、先生がしょうかいしてくれた王さまシリーズをかりました。この本を読んでいたら、たかしくんが、「それ、どこにあるの。」ときいたので、おしえてあげました。(以下略)

 この文章は、2学期の読書生活をふり返って書いた読書生活の記録である。
 「2の4の本」というのは、学校図書館の司書の方に選んでいただいた2年生向けの本と、私の自宅 から持ち込んだ本を合わせて36冊を学級文庫においたものである。毎週1回、図書室で本の貸し出しを行ってきたが、絵が中心の本を読むことが多く、本の種類にも片寄りがあると感じていた。一度、司書の方に相談したら、20冊程度、2年生向けの本を選んでくださった。それらの本が、子どもたちにはけっこう人気がある。私が読んだことのない本がほとんどで、どの本も結構おもしろい。「さすが、司書の方はちがう。」と感心している。

 読書生活の記録に話を戻すが、この子の書いた文章から、3つのことが心に残る。「2の4の本」に 興味をもってくれたこと、私の紹介した本に関心を示してくれたこと、そして友達との本に関する交流があることの3つである。子どもたちは、新しい分野の本を手にとることは少ないが、教師が紹介することで関心をもってくれる子も多い。そういった点からも、教師の読み語りは効果がある。また、友達に紹介してもらった本を読むことも多い。

◆わたしは、来週の国語の学しゅうが楽しみです。それは「いきもののすごいところ」という学しゅうがあるからです。わたしは、いきものがだいすきで、いきもののすごいところをいっぱいしらべたいです。(以下略)

 ある女の子の日記である。「いきもののすごいところ」というのは、生き物について調べたことを伝え合う説明文の学習のことだが、まだ学習していないうちから期待されているので、私もがんばらなければいけないと思っている。生き物を中心とした科学の読み物に興味をもってほしいというねらいで行う学習である。読書の幅を広げてほしいという願いがある。

 学習の基本中の基本は、読書と日記だと考えている。生活の一部として、文章を読んだり書いたりすることが自然にできる子を育てたいと思っている。
(草津市立笠縫東小)