▼ペアで話し合い、グループで討議する学習形態が開発され、一人一人を伸ばす教育に舵がとられた。教師の役割は、学習課題が、どの子にも「是非、解きたい」「解けそう」といえるような子どもの関心や力に合ったものを設けることと、学習活動の充実度の把握である。

▼一斉学習形態の授業で成果を上げてこられた先達は、その背景に個々の子どもの学習履歴の記録や見方、考え方を捉えるための子ども理解にかなりの時間をかけ積み上げられていた。子どもは授業で様々に心を動かす。全体として見えやすいが、一人一人になるとむずかしい。ペアやグループとなると更に難度が高くなる。

▼かつて、子どもの心が分からずに授業が干上がったような気持ちになったことがあった、その時、性格検査があることを知り、子どものプロフィルの把握に努めたことがあった。専門的な用語では、平均型・安定消極的型など「型」にして6。攻撃的・協調的など「的」にして12。それを組み合わせて子どもを知り授業をした。複雑すぎて、長くは続かなかった。が、成果はあった。発言内容や友達の考えの受け入れの姿などそれぞれに個性があること等、その時の授業を鮮明に覚えている。

▼色々な意味で「子どもを知る」ことの難しい時代。手がかりになるものを探している。(吉永幸司)