短歌を作ろう
蜂 屋 正 雄

 6年生の書く活動で2学期早々に短歌を学習する教材がある。「たのしみは」ではじまり「~時」で結ぶ短歌。教材文は時代も遠く、もちろん文語文で読みも難しい。しかし、伝えようとしていることは、今の私たちと変わりがないことにも気づく。俳句には、季節ごとに取り組んできたが、もう一歩、子どもの生活観を感じるような書く活動にしきれなかった。例えるなら、作文で200字しか書けない子がもう50文字ひねり出すときに出てくる読み応えのある文章のように、もう14文字の中に、ふだんの思いを込めてくれるとうれしいという思いで、短歌に取り組んだ。
 まずは、教科書を読み、次に、「私の楽しみにしていること」というイメージマップを書かせた。教科書に示されているように、「家の人や友達のこと」「季節のこと」「衣食住のこと」「趣味のこと」について、イメージマップを広げた。その後、教師の作った短歌を見せて、口語文の短歌を作らせてみた。

 ○たのしみは週に一度の習い事習字終わっておしゃべりする時
 ○たのしみは学校のあと友達と電車をながめ語り合う時
 ○たのしみはソファーでゆったり好きな本ひとりになってたくさん読む時
 ○たのしみは朝起き出でて素振りして家に帰って寝ころぶ時
など、俳句以上に、子どもの日常を感じることのできる短歌を見せてもらうことができた。早速、学級通信でお互いに読み合い、一ヶ月ほどして、運動会後にも取り組んだ。
 ○旗体操気持ちを込めて旗を振る思いがみんなに届いたのかな
 ○曲にのり1年生も歌うたい本番そろって大成功
 ○旗体操気持ち早いぞパーカッションきんちょうしすぎてまちがえる
 ○徒競走80m いつもよりとてもとても長く感じる
 ○たのしみは年に一度の特別な運動会をふりかえる時

 前回の「たのしみは」を生かした作品もあれば、運動会本番ならではの思いを書き綴っていた作品もあった。俳句も季節を改めて感じたり、季節の言葉を学習して使ったりできる良さもあるが、短歌はその時々の思いがお互いに伝えあえ、「わかるわかる。そうだったよね。」と読み合える良さを感じた。学級の人間関係作りにもいかせそうな活動となり、継続したい書く活動の1つとなった。
(草津市立矢倉小)